『日出づる国』の指揮官
クウェートからイラク・サマワの陸自宿営地に到着した自衛隊本隊の番匠幸一郎指揮官が、訓辞の中で日本のことを「日出づる国」なんて言っていた。
確かに、古来、日本という国の名前はその字のとおり「日の本(ひのもと)の国」からきているとされる。
聖徳太子が隋への国書にしたためたと言われる「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という史実も有名だから、その言葉自体は意外ではないのだが、自衛隊の指揮官という立場の人が派遣された海外でこれを口にすると、つまらぬ誤解を受けないかと余計な心配もしてしまう。
ところで「日出づる」ということは端的に言えば、その元の位置から見て「東側」にあるということだろう。
「朝鮮」の「朝」も「日出づる」ということで、これらはいずれも昔の文明大国・中国から見て、ということになる。
だから、他にも「日出づる国」はある訳で、PKO活動で馴染みとなった東ティモールもTimor Lorosaeとはテトゥン語で「日出づる国」という意味らしいし、現在はシリアとなったアッシリアも中東ではやはり「日出づる国」なのだという。
東にあるから「日出づる国」と言われるのはなんだか心地よいものだが、しかし『極東』というのは、この世の果て、と言われているようでなんだかなあ。
もちろんこれは、中東と同様、ヨーロッパを中心にした位置関係のこと。
しかし勝手にヨーロッパを基準にして決めつけるなよ。
日本から言わせればアメリカはもっと東の果て、ということになるが、アメリカ大陸に文明人が渡ったのは逆にヨーロッパから西行してのことだから、アメリカが極東にはならなかった。
そういえば、オウムの麻原彰晃被告は昔『日出づる国、災い近し』という本を著していたが、おいおい、だからって自分で「日出づる国」に災いを起こしちゃいかんぜよ。
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コメント
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投稿: konami | 2004.02.29 08:00
確かに『日出づる国』はまずいよね。
例えば韓国が日本の事を『イルボン』と言ってるのは、そういう日本の態度を嫌って『(日が)入る本』と表現していると聞いたことがあるから、また感情を逆撫でしなければいいけど。
訓辞の内容、前後関係はわからないけど、『極東』でよかったんでないの?
投稿: まりあ | 2004.02.29 10:25