へちまの語源て知ってる?
へちまといえば、今やその清浄成分からヘチマ水やコラーゲンを取ったりと、すっかり愛される優秀な植物だ。
しかしそうなる以前には、一部沖縄などでは味噌炒めなどで食べていたというものの、本土では食用にもならず、ただその豊富な繊維質を利用して風呂で使うあかすりなどに用いられただけのものだった。
そのへちま、本来なら糸瓜(いとうり)という立派な名前の持ち主なのである。
前出のように、繊維質がとても豊富なのでそれで糸瓜といわれたものだろう。
で、その『いとうり』がいつのまにか、口にして言いやすい『とうり』に変化したと伝えられている。
そしてその『と瓜』を江戸の酒落っ子が、『とうり』の『と』ならいろはで『へ』と『ち』のあいだ。
(いろはにほへとちりぬるをわか)
それじゃあ、へとちのあいだで『へちま』にしてしまえ、ということになったらしい。
それからへちまというユニークな名前が日本中にしっかりと定着したという訳だ。
かく言うように、今でこそへちまは優秀な植物だが、しかし巷で『へちま野郎』と言われたら、それは『ブラブラして役に立たないもの』をいう意味だから、尊敬されたと思って喜んでいてはいけないぞ。
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コメント
「へちま」の語源、氷解しました。ありがとうございました。
僕は、「北国チャンネルTV」で細々とブログをしていますが、
「ココログ」にもトラックバックを貼れるんですね。
投稿: Jun Rajini | 2004.02.24 21:02
コメント、ありがとうございました。
そうですか、疑問の解決に役立ったようでうれしいです。
これからもよろしくお願いします。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.02.25 05:15
https://matsuzaki.muragon.com/entry/1.html
「へとチの間」説もありますが、この記事もご覧ください。
投稿: Song Qi | 2019.10.08 11:27
Song Q さん
コメントありがとうございます。
ご教示ありがとうございました。
なるほど。説得力のある説ですね。
乗り換えよ。(>_<)
15年も前の記事を見ていただき、感謝であります。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2019.10.08 12:55
ヘチマの新語源を書いた、Song Qi です。
江戸時代の方言集から「へとちの間」が出てきたのですが、正鵠を射ていません。学者の方々も、NHKも「へとちの間」と報道しています(以前)。残念です。
https://matsuzaki.muragon.com/entry/1.html
を理解していただき、嬉しいです。
投稿: | 2019.10.12 09:38
このヘチマの語源の説は、正鵠を射ていないと思います。江戸時代より200年前にヘチマと呼ばれていたのです。いろいろな文献を調べました。
著書もだしましたが、内容は下記のブログ記事を見てください。
ヘチマの語源の新説 - 雑学:原語から考えるホントの語原 (goo.ne.jp)
著書は「食文化雑学」雑学:原語から考えるホントの語原 松崎修 文芸社 2015
投稿: 松崎修 | 2021.12.09 17:18
松崎修さん、初めまして。
まさに正鵠を射たコメント、ありがとうございます。
こういうものの探求は、(外れていても)楽しいものですね。
だから日本語は素晴らしい。
大切にしたいものであります。
ありがとうございました。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2021.12.09 20:02