観客のせいで痛恨ペナルティ
WRC(世界ラリー選手権)第3戦で、今年が初めての開催となる「メキシコラリー」がスタートした。
今回から新型車『インプレッサWRC2004』を初投入したスバル・チームは、初日の第1レグ、エースのペーター・ソルベルグがいきなりのトップタイムで1位となった。
ここのところマニュファクチャラーズ・タイトルを欧州勢に奪われ続けている日本車としては、大いに期待ができるスタートとなった。
が、しかし……
数時間後、とんでもないニュースが飛び込んできてしまった。
ソルベルグ車は、最終サービスに入る時に思わぬバテリー・トラブルでストップ。
ソルベルグとコ・ドライバーのミルズがマシンを押してサービス・エリアに入れたのだが、その時に予想外の事件が起きてしまった。
なんと、見ていた観客が勝手にマシンを押すのを手伝ってしまったのだ。
それもたったの1メートルとか。
もちろん、クルーが観客に助けを求めた訳じゃない。
しかしながら、サービス外での援助を禁止したレギュレーションに違反したとして、なんと5分のペナルティ。
これでソルベルグは首位から一気に総合13位まで転落してしまう結果となった。
ちなみに14位はプロダクション(下位クラス)の新井敏弘だ。
サーキットと違い、観客がマシンの走るコースにまで入れるラリーでは、しばしばこうした悲劇が起きてしまうのだ。
「観客さん、お願いだから手を貸さないで」
これがクルーの本音だったろう。
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