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「アフリカ・ポレポレ」

「アフリカ・ポレポレ」は動物写真家の岩合光昭さん一家のアフリカ(タンザニア・セレンゲティ)での暮らしを記録した本で、その波乱に富んだ1年間を、奥さんの日出子さんが娘の薫ちゃんをメインにして書いたもの。
(ポレポレはスワヒリ語でゆっくりという意味)

僕は熟読というよりも多読のほうだから、一度読んだ本をまた読むよりも次の本というタイプなのだけれど、この本は何回も図書館で借り直して読んだ「お気に入り」である。
動物にしか目のないご主人と、ハプニング続きの毎日の生活に追われる奥さんとの対比がとても面白い。

で、この本のことが、いつも行くひとくちメモ」さんのとこに紹介されていたのでうれしくなって、それで今日はこれを書いている。

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そういう訳で、奥さんが「アフリカに行こう」と言った時、一も二もなく僕は賛成した。
サファリは一般にケニアのほうが手軽だし安価なのだが、この本の舞台を訪ねたかったので迷わず目的地はセレンゲティのあるタンザニアということにした。
(セレンゲティとは「果てしなく続く草原」という意味のマサイ族の言葉)

社会主義国のタンザニアには直接入る便がなく、日本からシンガポール、UAEのドバイへと飛行機を乗り継ぎ、ケニアのナイロビに到着、そこからは陸路で通関しなくてはならない。日本からは丸二日掛かりだ)

アフリカの大地のサファリの素晴らしさは多くの人が書いているからここでは省略するとして、この旅での僕にとっての最大の感動、岩合さん一家が実際に暮らした家を訪問したことを書きたい。

サファリには動物が活動する早朝と夕方に毎日専用の4輪駆動車で出掛けるのだが、その日「今日、何見たい?」という現地ドライバー氏の問い掛けに、僕はあらかじめ岩合さんの本からコピーして用意した地図を見せ「この家に行きたい」とリクエストした。
1年間セレンゲティを拠にして撮影を続けた日本人カメラマン岩合さんのことはそのドライバー氏も覚えていて、幸い僕のこの計画を喜んでくれた。

岩合宅はセレンゲティ国立公園のレンジャーの家の一つを借りたもの。
その地図ではわれわれのロッジから歩いても行けるような感じに書いてあったけれど、そこはアフリカだ。実際にはとてつもなく離れていて驚かされた。
ま、なにしろこの公園ひとつだけで日本の四国よりも広いのだから。

ドライバー氏がいろいろ走り廻ってくれたけれど、なかなかその場所が確定出来ず、結局公園レンジャーの一人にお願いしてクルマに同乗してもらい、やっとその家を訪ね当てることができた。
(国家公務員のレンジャーは、ここではすごい権力を持っているエリート。
なお、お礼に日本から持って行った3色ボールペンを上げた。こうしたものをすごく喜んでくれる)

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やっと探し当てた岩合宅がこれ。
 (クリックすると拡大します)
薫ちゃんが「アカシアのお家」と名付けたように、家の前に大きなアカシアの木があって、そこには毎日野生のキリンが葉を食べに来るということが本に書いてあった。

本の写真通り(当たり前だが)の家を目の当たりにして、ほんとうに感動。
現在はアメリカ人の野生動物研究者という人が入居していたのだけれど、事情を話すとその人は気持ち良く家の中までも見せてくれた。
周囲の風景とはちょっと不釣り合いだが、中にはコンピュータがたくさん並んでいた。

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彼は岩合さんが帰国してから来たので直接の面識はなかったそうだけれど、うれしいことに入り口ドアに岩合さんが貼ったシールがそのままになっていて、僕らにそれを教えてくれた。
←これがその岩合さん自製のシール。
上に小さく「ミツアキ・イワゴーズ」、その下に大きく「ネイチャー・ワールド」と書いてある。

こうして僕は、この小さな家で実際に繰り広げられた、面白くも大変だった薫ちゃんたちの1年間の生活に思いを馳せたのだった。

そうそう、岩合さんは野生動物ばかりでなく、可愛いネコのカレンダーなんかも作っているんだよ。
本屋さんでみつけたら、よろしくね。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ちなみに、この写真の男性は「ピーちゃんの身元引受人」さんなんですか? ぽっ(赤

投稿: 7thHeaven | 2004.10.29 12:16

7thHeaven さん

あはは
そうですよ、高倉健じゃありません。
あ わかってる?

しかし「ぽっ(赤」って何ですか?
男性に言われてもなあ。(~_~;;

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.10.29 12:38

ピーたん

もしかして、昔
「ビューティフルサンデー」
歌ってた?

投稿: まりあ | 2004.10.29 12:48

まりあさん

歌ってないよっ。
前髪が揃ってないじゃん。(`ε´)

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.10.29 13:14

リンクありがとうございます。
じょえる@サボテン島です。
岩合さんの白熊の写真も大好きです。
最初に新聞でお花の中にすわっているショットをみてびっくりしました。その後NHK で撮影風景のドキュメントをやってましたね。すごく長い時間をかけて撮るのですね。すごい人だと思いました。

投稿: じょえる | 2004.10.30 00:13

トラバありがとうございました。

一冊の本に導かれてタンザニアへ行ってしまう。
夢ですねぇ...(シミジミ)

「アフリカへ行こう」といってくれる奥さんがいるなんて!
夢ですねぇ...(^_^)

目指すラーメン屋が見つかっただけで大喜びするボクなので、タンザニアで岩合家跡地にたどり着けた感動は、筆舌に尽くしがたかったんじゃないかと想像してます。

投稿: ポップンポール | 2004.10.30 10:28

ポップンポールさん

コメントありがとうございます。
以前からこの時の感動を著したかったのですが、今回これが書けたのはポップンポールさんとこの記事のお陰です。
「あ 他にも『アフリカ・ポレポレ』を気に入っている人がいるんだ」と思って、とてもうれしく思いましたもの。

機会がありましたら、ぜひアフリカに行ってみてください。
あの広々とした大地に身を置いていると、こせこせした日本のことなんか忘れてしまいますよ。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.10.30 10:59

あぁ、懐かしい。私も持ってます。
中学生位の頃からいつかはアフリカに行きたいと思いつつ、未だに果たせていません。

人に「生まれは?」と聞かれると冗談でナイロビと答えると結構信じてもらえるのはどうしてなのか、笑。

投稿: 蒼空とそよ風と の管理人 | 2004.10.30 22:54

おお

蒼空とそよ風と の管理人さんはナイロビ生まれとな。
それでは故郷が懐かしいでありましょう。(^_^)

でもナイロビは、アフリカでは有数の大都会なんですけどね。
ビルがたくさん建っていて……
そういえば、ここのアメリカ大使館もイスラム過激派に爆破されましたっけ。

僕が行ったのはちょうどあの911事件の直後で、タンザニアの軍人さんもしきりに携帯ラジオのニュースに聞き入っておりました。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.10.31 05:49

>でもナイロビは、アフリカでは有数の大都会なんですけど

そこがミソです。笑
親がどこかの会社の現地駐在員で、その時生にまれたのかな、と思うでしょ?

投稿: 蒼空とそよ風と の管理人 | 2004.10.31 16:30

えーっ
うそぉ。駐在員?
僕はすっかり現地人なんだと思いましたよ。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.10.31 16:58

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