シカとさよか
丹沢の山には、野生の鹿が多く棲息しているのを知ってますか。
(丹沢の鹿・塔ノ岳で)
.
われわれ登山者の立場であれば、山で鹿に巡り会えるとうれしく思うのだけれど、地元の人にとっては決してそうではないようだ。
というのも、鹿はエサがなくなると人里に降りてきて、畑を荒らしたりしてしまうからだ。
ちょうどいま各地で騒がれているクマくんのようにね。
それで、丹沢の山でも人里に近い山道には、必ずこうした『鹿止めの柵』というものが設けられている。
もちろん扉は針金で引っ掛けてあるくらいだから、人は容易に通ることができるようになっている。
しかし11月3日文化の日。
三峰山のそうした柵の所で、短パン姿の外人さんが二人、あーだこーだやっていたと思いなせえ。
そこへちょうど僕がさしかかった所からドラマは始まった。
お察しのように、日本語で書かれた説明文が読めない彼ら(アメリカの兵隊さんのようだった)は、勇敢にも「この扉を通ってもいいのか」僕に尋ねてきた。
それも、日本という独立国にありながら、自国語で押し通すという、極めて非礼で乱暴な輩たちだ。
それでも国際人かつ紳士である僕は「シカたない、いつものように流ちょうな英語で可哀そうな彼らに説明してあげよう」と鷹揚に対処した。
ところが、そこで『鹿』という単語がどうしても浮かばないのだ。
『鹿』なんていう英語、みんな知ってた?
「馬鹿」も知ってるし、「馬」だって知ってるのにな。
『鹿』だけ知らん。
こんなの中学で習ったっけ?
ちょうどその時、僕は例により廊下で立たされていたのかも知れない。
さりとてシカとする訳にもいかず、結局僕は「これシカない」と、身振り手振りに「OK OK」のボディランゲージ。
彼らは何のためかは理解できなかったものの、とりあえず通っても良いのだということだけを地道な国民レベルの国際交流の末にやっと解釈することができたようだ。
そして柵をくぐると、やがて僕の2倍はありそうな大股で視界から消え去っていったのだった。
あーん、君たち。
「今度はもっと日本語をシっカり勉強してから山に登りなさいね。(~_~;;」
心でつぶやく日本のおやじが一人。
ちなみに、人里に降りられない鹿クンが皮を食べてしまった木はこんな有様になっている。
悲しいことに、こんな痛々しい木が山のあちこちにあるのだ。
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コメント
(^m^)うぷぷ。
鹿のことを一生懸命伝えようとするピーちゃん
さんのことを想像すると笑えましたわ。
きっと、角を手で真似たに違いないわ。
「ほら、こんなんいるでしょ」
とか言いながら・・・・。
そんなピーちゃんをシカトせず、理解しようと務めたで
あろう米兵さん。。
かくかくシカジカ(^_^)v
投稿: メイリ | 2004.11.05 16:50
メイリさん
>きっと、角を手で真似たに違いないわ。
う 見透かされたか。
ち・ちがうもん。
右の手で尻尾を真似て、左の手で口先を真似したんだもん!
(そりゃ、無理だろ>自分)
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.11.05 17:51