早起きは3文の得?
日曜だが、今朝もしっかりと早起きをした。
それをウチの奥さんは「歳のせい」だと決めつけるが、1つしか違わないのに自分はいつまでも寝ていられるのだから、その主張が論理性に欠けているのは明らかだ。
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ところで日本には「早起きは3文の得」ということわざがある。
この場合の「三文」とは、具体的な貨幣価値ではなく「ちょっぴり」と言う程度の意味。
つまり少しのお金のこと。
二束三文とか三文判とか「安い」という意味で今でも使っている通りだ。
だからまあ、これは「早起きをすると少しずつでもきっといいことがあるよ」、ということなのだろう。
だってこれが「早起きは千両の得」だなんてことになったなら、みんながみんな早起きになって、セブンイレブンの夜のバイトがいなくなって困ることになる。
だから、このくらいでいいのだ。
『貧しきリチャードの暦』というのを考えたベンジャミン・フランクリンは、カレンダーの余白に「ことわざ」を印刷することで大儲けした。
ことわざが足りなくなると、自分で新しいのを考えたというのだからすごい。
その中のひとつにやはりこんなのがあったそうだ。
「早起きは人を健康に、金持ちに、賢くする」
まあ、教えとして無難なところだろう。
昔から人々は夜明けと共に起きて仕事をし、日が暮れれば床に入ったものだ。
ところで「早起きは3文の得」のようなことわざを、英語では一般に「The early bird catches the worm.」という。
直訳の意味は「早起きの鳥は虫を捕まえる」というのだそうだ。
しかし「early bird」というのは「早起きの小鳥」というよりはむしろ「素早い小鳥」なのではないかと僕は踏んでいる。
この小鳥は手先が素早くて、ひとの見つけたエサを横取りするいやなヤツなのではないか、と。
が、いや早起きという意味なんだと先生は言うし、本にも書いてあるし、授業が終わっても友達は誰も質問しないのだからしかたがない。
この世をうまく渡るには、所詮長いものにはまかれろだ。
しかしそれならこれはどうだ。
このことわざ、逆に「早起きの虫は小鳥に食べられてしまう」という意味でもあるという真理がすでに指摘されているのだぞ。
つまり誤ったことわざということなのだ。
立場が変わればこうしてことわざだって意味が変わる。
夕陽を悲しむ向こう側では、朝陽が昇るのを喜んでいるものなのだ。
そういえば落語の「持参金」という噺では、「早起き三両、宵寝は五両(「早起きは三文の得」と同義のことわざ)」と聞いて、たまに早起きしたら借金の催促を受けたというオチになっている。
かくして洋の東西を問わず、とかくことわざというのは難しい。
ちなみにウチのピーは、自分よりももっと早寝・早起きのうえ、昼寝を絶対に欠かさない。
もちろんぐっすりと「Good Sleep」だ。
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コメント
早起きの上に理屈っぽいこと!
時差ぼけの頭には、何がなんやら…(^_^;)
しかし「worm」は虫でもミミズとか毛虫の類で、空を飛ぶハエなどとはちょっと違うんで、素早い鳥でなくても掴まるときは掴まるんじゃない?
で、「素早い」は「fast」であって「early」はやっぱ「早く起きる」方じゃないかと。
でも、「早起きの虫は鳥に掴まる」っていう逆説は、なかなか面白かった。まだ目が覚めないけど…
蓑虫まりあ
投稿: まりあ | 2004.11.21 08:41
まりあさん
なんだ、やっぱり「素早い」は「fast」で「early」は「早く起きる」なのか。
一生懸命考えた屁理屈なのに、あっという間に覆された。
とかくこの世はままならぬ。(~_~;;
ねえ>蓑虫さん
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.11.21 08:52