汚名を雪(すす)ぐ
ある文章のタイトルに、「汚名をすすぐ」と書いたらすぐに抗議のメールをもらってしまった。
いわく、「日本語が間違っている。我慢がならないぞ」というもの。
それによれば、「汚名はそそぐもので、すすぐものではない。洗濯ではあるまいし」と断じていた。
ま、僕も日頃よく書き間違いや変換ミスを繰り返しているからあまり大きなことは言えないのだが、しかしこれについては事前に広辞苑で確認もしていて自信があったので優しく返事をしてあげた。
(^_^)v
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この「雪ぐ」というのは、そもそも雪が汚れを清めるという意味から使われているもの。
雪はすべてのものを白く覆って隠してしまうということもあるし、また雪国では実際に雪でもって野菜などの汚れを落とすということもあるからだろう。
一面真っ白な雪には、確かに何もかも白く清めてしまう不思議な力を秘めているようだものね。
また「雪辱を果たす」という言葉があるけれど、この「雪辱」は、「辱め(はずかしめ)」、つまり「恥」とか「不名誉」を雪(すす)ぐということからできた言葉だ。
つまり「雪辱を果たす」というのは、「以前に受けた恥を拭いさって、名誉を取り戻す」ことになる。
呉越の時代の中国には「会稽の恥を雪ぐ」という故事もあるよね。
古くは「すすく」と清音だったけれど、やがて「すすぐ」となって「濯ぐ」という字が使われ、さらに「そそぐ」とも使われるようになったんだそうだ。
だから僕に言わせれば、「そそぐ」んだったら「汚名」ではなくむしろ「汚水」だろうということになる。
汚名は濯がないが、汚水を注ぐぞ! なんてね。
Oo。(^.^)y-゚゚゚
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コメント
勉強になりますね~。
ちょっと利口になったかな(^^;;;
投稿: ふにゅ | 2006.08.24 16:18
ふにゅさん、こんにちは。
ほんと、日本語は難しいですよね。
名誉は挽回するものだけれど、汚名挽回って使うと、また元の黙阿弥になってしまうのでいけない。
汚名は返上なのね。(´_`)
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2006.08.24 16:47