いまさら『李下に冠正さず』なんて
日本郵政の保養宿泊施設『かんぽの宿』がオリックスへ一括譲渡されることに、鳩山総務大臣が反論する見解を発表したね。
というのもオリックスの宮内義彦会長は規制緩和を進めた小泉政権時代に政府の規制改革・民間開放推進会議などの議長を務めていて、今回の低額譲渡はこれが『出来レース』と受け取られる可能性があると指摘した訳だ。
でも、そんなの当たり前じゃん。
この人はそもそもがいわゆる偉大なる『政商』だったんだ。
政府の推進会議議長としてルールを作る一方で、これにより創出された事業を引き受ける会社の代表として最大の受益者になっている。
小泉改革の「官から民へ」というの規制緩和の流れのなかで、オリックス・グループのビジネスはどんどん急成長を続けてきたじゃない。
1999年にサービサー(債権回収会社)法が施行されると、宮内氏は「オリックス債権回収」を設立。
2001年、2005年と取り扱うことが出来る債権の範囲の拡大を宮内会議が提言するたびにこの会社は事業拡大を続けてきた。
次に宮内会議が「医療の民間企業への解放」すると、オリックスは構造改革・特区の会社「バイオマスター」に出資して医療関連サービスに参加。
「混合診療の導入」を提言すると、すかさず今度はオリックス生命が医療保険販売で大儲けといった具合だ。
財界の大物といえば聞こえがいいけれど、所詮商人は儲けが目的。
そうした人間を政府の重要な政策決定に受け入れたことがそもそもの誤りなんじゃないの。
それをいまさら『李下に冠正さず』なんて、悪いけど笑っちゃう。
『商いは飽きないに通ず』と言うけれど、これだけ自作自演で儲け続けたなら、そりゃあ飽きないだろう。
商売なんて地道にやるもの。
エレベーターガールだって言ってたもん。
「商売上がったり下がったり」だって。
「それだけ売れるなら儲けものです」
「それだけ売るのなら、もう獣です」
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コメント
うちのすぐ近くに以前、癌研究病院という広大な敷地を持ったところが、3年ほど前に有明に移転しました。
その跡地は当初、当時の都市整備公団が荻窪の公団住宅をこちらに持ってくるという話だったんですね。ところが公団が都市再生機構とかに変わって計画が頓挫。そのどさくさにまぎれて、いつのまにか跡地はオリックスのものになってました。
公団時代の老人ホームや一部を公園にする話はどこへやら、スーパーとスポーツジムはすでに完成。もうすぐ22階建ての高層マンションや別棟の低層マンションが敷地びっしりと完成間近。その間、一度会社のが挨拶に来ただけでなんの説明会もないまま。
すでに、オリックスは外国資本下にあるそうなので、このままだと郵政の貯金や簡易保険の資産も外国へ持ってかれるでしょう。小泉さんと竹中さんがやったことが、10年ぐらい経ってどう評価されるか。
早く子供の学資保険の満期がこないかなあ。いつまでも関わってたくないです。
投稿: 伊東 | 2009.01.09 15:40
あじゃ。
伊東さんはまたずいぶんとリアルな経験を持っているんですね。
なんというか、企業の理念が最初から違うんでしょうか。
怖いから、僕もあんまり関わらんとこ。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2009.01.09 16:47
あの鳩山氏が、めずらしくまともなことを・・・と、ニュースを見ていました。┐(´-`)┌
小泉さんの言っていた改革っていったい・・・民営化するということは、誰かが手に入れるということですものね
投稿: yoshi | 2009.01.11 19:58
yoshiさん
そうなんです。
「広く誰かが手に入れる」のならまだしも、民営化を決めたその人が手に入れる、というのはねえ。
今になってみると、小泉改革の時はみんな熱に浮かされていたような気がする……
方向は間違いではなかったにしても。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2009.01.12 05:27