大崩海岸・崩壊『旧石部トンネル』跡
今回の探検舞台は静岡県・大崩海岸にある石部(せきべ)トンネルという所。
昔、ここを通っていたJR東海道線はとっくにこのトンネル部分を放棄し現在は別のルートに変更されている。
(トンネルは昭和23年のアイオン台風により大破。放棄された後も幾度となく崩壊を繰り返してきた)
その坑門部分が残っていて、急な崖を降りれば今でも観察することができるのだ。
薮から現れたモノは
(上)旧国道から薮をかき分け崖を降りていくと、茂みの向こうになにやら大きな人工物が現れる。
(下)下に降りるとその全容が目の前にさらけ出される。
二つ並んだこれが鉄道トンネルの廃墟だ。
崩れたザンガイ
哀れなザンガイも、実は美しいレンガや石組みで構成された巨大な遺構であることがわかる。
今でも窺えるその直線と微妙なカーブとは、健在だった当時の優美さを主張しているようだ。
トンネル内部?
崩れたトンネルの開口部にはロープを伝い上がることができる。
え、中が見たい? 見ないほうがいいよ……
中はまるでゴミ屋敷のようにガラクタが散乱。
地元の人に聞けば、二つのトンネル共にかつて人が住み着いていたんだって。
でも、いまは行方不明……。
気味悪ぅ。
在りし日の石部隧道
上の写真はまだ在りし日の石部トンネルの姿。
(焼津市市制50周年記念写真集『やきつべ』より)
ただ、この時点でもう東海道線は移設されていて線路跡は道路として使用されているのがわかる。
博物館級のボンネットバスが郷愁を呼ぶ。
ちなみに上写真の右奥かなたに見えているのはこちらも放棄された旧国道の石部洞門で、下写真のようにまだ廃墟が現存。
よく見ると柱などかなり劣化しているけど。
別角度から
こちらは現場を反対側から眺めたところ。
こっち側からは巨大なテトラポッド部分が降りられないと書いてあったんだけど、サーファーが内緒のルートを造ってくれてた。
感謝 m(_._)m
(前記事の写真はこの崖の上部から撮ったもの)
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
↓
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コメント
おはようございます
これ、国有地なんでしょうかね・・・。すこぶる景観が良いのですから上手く利用すればかなりの収益も見込めそうな気がしますが。
と言っても、地盤が安全とは言えず、温泉も出ない、というのであれば利用価値は無いのかも知れませんけど。孤島だの無人島だのというなら解かりますが、静岡でこんなところがあろうとは・・・。
リンク先も拝見しましたが、いやはや凄い所ですね~。今まで全く知りませんでした。勉強をさせて頂きました。有り難うございます。
投稿: poohpapa | 2010.11.08 07:16
poohpapa さん
ありがとうございます。
日本海の親不知海岸と、糸魚川・静岡構造線で結ばれているという所にヒントがあるような気がします。
いくら景観が良くても、地質的には怖いんでしょう。
ホンの一角なんですけどね、こうして崩れているのは。
しかも年々崩壊というか浸食が進んでいるんです。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2010.11.08 08:31
石部隧道の古い写真、いいですね。
危険な所なのに迫力のある写真の数々、拝見させていただきました。
リンク先の「大崩海岸」では、航空写真でそこと、南伊豆の石廊崎が断層でつながっているのがよく分かり、近くをバスで通っただけなので、「南伊豆歩道」ぜひ行ってみたくなりました。
投稿: せいざん | 2010.11.08 16:32
せいざんさん
ほんとだ。
石廊崎の航空写真でははっきりと断層のラインがうかがわれますね。
昭和49年の伊豆半島沖地震で石廊崎灯台が壊れたのも、この断層が関係しているんだとか。
うーん、天文学者もいいけれど、地質学も面白そう。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2010.11.08 16:47
十数年前に旧石部トンネルを訪れましたが、この写真のとおり崩れ方が半端ではなく、ほんとにすごかったです。自然の猛威を見せつけられた思いがしました。
トンネル付近には洗濯物が干してあり、人が住んでるとわかり近づけなかったので、海岸を散策していたら海草を拾っているおじさんがいて「以前は東京の山谷にいたけどここに越してきた」と話してくれました。
行方不明になってしまったんですか…。
投稿: みーた | 2012.12.24 00:32
みーたさん
コメントありがとうございます。
以前の写真をみると、ポータル部分などもまだしっかりしていたようですね。
もっと早くに行ってみたかったです。
もっとも、人が住んでいた時代にはそれも障害になったと思いますが。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2012.12.24 07:23