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天空に消えた夢のロープウェイ(後編)

急傾斜のヤブを上り詰めると、突然人工的な2段の広場が現れた。

Kurodake_134
ここだ!
地図の位置からみても、この平地こそがかつてのロープウェイ乗り場「サボテン公園駅」だった筈。
しかし、そこにはすでにすっかり育った若木の数々が。


Kurodake_145
さらには、予想もしていなかった張られたままのテニス・ネット。
この林の中で、テニス!?
(マウスを置くと画像が切り替わります)

さらに周辺を歩き廻ったものの、もうロープウェイに関わるようなものは何も見つからず。
どうやらトンネル出口も含め、乗り場跡は完全に埋められ、さらにその後広場はテニスコートに転用されたということのようだ。

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しかし感傷に浸っていられないのは放置されたままのフェンス。
金網と絡み合ったまま若木がこれだけ伸びてしまったのだから、いったい放置されて何年が経つというのだろう。
(マウスを置くと画像が切り替わります)

ミミズだって、オケラだって、木だってみんな生きてるんだ。
そりゃあ、木の方が後から生えてきたんだからしかたないけれど、こんなに食い込んでしまっては死活問題だろうに。
このまま放置されて、この先いったいどうなってしまうというのか。
誰か 放置つけて~Kyuta_2


すっかり姿を変えた駅跡周辺をそれでもなお探索していると、草むらの中に珍しいものが目についた。

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懐かし~
知ってる?『スカット』
昔明治乳業が販売していたもので、当時「スカッと飲もう スカット」というCMの炭酸飲料だ。

このビンは初期のタイプのもので、調べてみると発売されたのは1962年。
一方、このロープウェイが建設されたのが1963年。
つまり両者はほぼ年を同じくして誕生。
共に昭和を生き抜いた、いわば戦友どうしだったんだね。
そしていま、両者は同じように草むらに埋もれながら歳を重ね続けている。


Kurodake_135
コート近くに立つ送電線の鉄塔からは、遠く熱海の別荘街が望まれた。
おそらくはこの丘にあった筈の駅から、当時の乗客もこうして熱海の山々に目を投じたのだろう。

しかしかつて熱海の若き事業者が実現させた夢は、いまヤブの中で眠ったままだ。

                   (完結)

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コメント

こんばんは。
どきどきしながら完結編まで待っていました。
親に連れられて「サボテン公園」には行っているような記憶が、うっすらと有りまして。
身延線で三島、そして熱海、帰りは0系で東京、そして甲府へ。記憶を辿っています。

投稿: chiponeko | 2011.04.13 19:45

chiponeko さん

うわ
新幹線で東京経由なんて、ずいぶんと豪勢なスケジュール。
サボテン公園までは行かれたんですね。
羨ましい。
でももうその時ロープウェイは休止されていたのかも知れませんね。
ご覧いただきありがとうございました。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2011.04.14 05:28

玄岳展望今一だったので又行く予定です。その時は廃墟まで行ってみます。
地震以来伊豆も前にも増して閑散状態で、これでは廃墟もまた増えるかもしれません。
大変な探訪記、ご苦労様でした。

投稿: せいざん | 2011.04.14 16:05

せいざんさん
ありがとうございます。

パワーありますねえ。
下から自分の足で登るとなると、結構きついですよね。
当日は晴れ渡ることを祈ります。
せっかくの玄岳も、展望があるとなしでは大違いですものね。
ぜひ、はるか熱海の街を見下ろして、夢のロープウェイに思いを馳せてください。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2011.04.14 16:20

サボテン公園の三角屋根の横は 花火大会の時によく利用しました。柵無しの砂利の駐車スペースになっていて そこから見る花火は最高でした。

タイムトンネルと繋がった陸橋周辺は 桜が植えてあり とても綺麗でした。

投稿: よっち | 2017.04.21 16:17

よっちさん、初めまして。
コメントありがとうございます。

なるほど
あそこからなら熱海の海上花火もよく見えたでしょう。
トンネルは時を経て、まさに『タイムトンネル』になったのかも知れませんね。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2017.04.21 17:09

ほんとうですねぇ。

子供の頃の思い出がよく残っている山でした。

時を経て…まだ残っているタイムトンネルがタイムカプセルですね。

投稿: よっち | 2017.04.22 11:29

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