四百年前のノミの音(4)【宇佐美石丁場の場合】
今度は一つ一つ石を切り出した、山の石切場を探検だ。
ここは伊豆・宇佐美の洞の入という所にある石丁場跡。
ここやさらに奥のナコウ山からも多くの石が切り出されて江戸に運ばれたという。
烏川の支流に掛かる砂防ダムの脇を登っていく。
登り口には「江戸城石丁場遺跡」と彫られた石碑が据えられている。
ここはハイキングコースが整備されていて、実際ハイカーも多いのだけれど、結論から言えば築城石の数はあまり多くない。
(同じ熱海でも続編に出て来る下多賀の中張窪石丁場のほうはすごい)
なんということのない石のようだけど、左下に菱形に囲まれた刻印が見えるね。
割れてしまったのかも知れないけれど、この程度の石では刻印するほどのものじゃない?
こちらの石には右肩の部分に石を割ったノミの跡が見える。
また下部には「田」の字に見える刻印がある。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
この石にも下の方に三角形の刻印があるね。
でももっと探したら、より明瞭な「静岡県の刻印」が見つかった。(>_<)
静岡県の刻印もやっぱり「田」の字かあ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
伊豆ではないけれど、実は小田原の箱根湯本近くにも石切場跡が見つかっている。
林道工事をした時に発見された「早川石丁場」というもので、これはそこの一つ。
手前上部にノミの跡があるし、右上部にはやはり丸で囲んだ刻印があるでしょ。
このすぐ上部が有名な箱根一夜城の史跡だけど、この石は一夜城のためではなく江戸城のために切り出されたものという。
(さらに続く)
(1)【伊豆海岸放置の場合】はこちら。
(2)【修善寺石丁場の場合】はこちら。
(3)【室岩洞石丁場の場合】はこちら。
(5)【下多賀石丁場の場合】はこちら。
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