四百年前のノミの音(3)【室岩洞石丁場の場合】
ここは西伊豆にある大規模な石丁場跡、「室岩洞」。
ここも江戸時代から昭和の初めまで築城石を切り出していたそうな。
切り出されたのは伊豆石と呼ばれる凝灰岩。
ここは松崎町が観光地として整備しているので誰でも安心して入ることができる。
構造上、もちろん奥は真っ暗だけれど、ちゃんと照明も灯いている。
8時半から17時の間。
ただ自動なので、時間が来て途中で消えたらビビルだろうな。
中はまるで迷路のごとく複雑に掘り進められている。
ここも『垣根掘り』と呼ばれる横方向の堀り方だが、規模はすこぶる大きい。
清水が湧き、一部にはプールのように水が溜まった所もあるが、排水の管理もきちんとされている。
見学路は全部で180mほど。
さらに奥に進むと外からの光が差し込むところが見える。
別の出口?
これは行くっきゃない。
抜け出ると、入江の上。
突然、視野は開けた。
ここは「払い場」と呼ばれる所で、ここから縄を使って石を下まで降ろしたんだそうだ。
そして直接「千石船」に積み、遠路江戸まで海上輸送したのだという。
ここ西伊豆からだと、熱海・伊東から運ぶのに比べ、さらに100キロ以上も遠くなり、当然それだけ危険も増すことになる。
(さらに続く)
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