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もう一つの忘れ去られたロープウェイ(1)

東京と山梨とにまたがる奥多摩湖は、小河内(おごうち)ダムにより多摩川の流れが堰き止められてできた人造湖。

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東京都民の貴重な水源であると同時に、豊かな自然が残る首都圏の行楽地として親しまれている所。
現在は秩父多摩甲斐国立公園の一角を構成している景勝地でもある。


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その一角、土産物屋さんが立ち並ぶ川野という地区の岬を遠くから見ると、何やら大きな鉄塔のようなものが見えないか。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
うん? 怪しい臭いがする。
行ってみよう。


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湖畔道路沿いの土産物屋さん脇から奥へと入り、急坂を登り詰める。
すると狭い運動場の奥に、何やら曰くありげな古い建物が現れた。
(現在は立ち入り禁止になっています)


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まずは階段を降りてみる。
建物の地下には大きなプーリーやワイヤー等が、強固な造りのコンクリートに支えられて設置されているのがわかる。
ここは何?


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再び階段を戻り、1階の部分に出てみると、駅名の標板があった。
それによればここは「川野駅」。
脇にはロープウェイ設置の標板が掲げられている。
(マウスを置くと画像が切り替わります)

ここは1961年(昭和36年)小河内観光開発という会社によって建設された「奥多摩湖ロープウェイ」というものなんだね。
対岸まで湖上を渡る全長600m。
奥多摩湖上遊覧、登山客の利便等を目的として作られ、翌年から営業が始められたという。
当時のキャッチフレーズは「日本で唯一・湖上を渡るロープウェイ」というものだったそうだ。


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なるほど前方に目を向ければ、白と朱色に塗り分けられた1台のゴンドラがまだホームに佇んだまま。
車体には「くもとり号」と書いてある。
雲取とは奥多摩にある、東京都の最高峰(2,017m)雲取山のことだろう。


(C)Google Map
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航空写真の赤い線がロープウェイ跡。
上が川野駅になる。

当時、左の2本の橋はまだなかったので、対岸に渡るには大きく迂回して、有名なドラム缶橋を渡るしかなかったのだが、このロープウェイの開通により90分掛かっていたものがわずか20分に短縮されたという。
(現在水位低下のため、ドラム缶橋は一時撤去されています)

時折りしも日本は東京オリンピックの開催を控えた高度経済成長期。
加えて槇有恒隊長率いる日本山岳会によるヒマラヤのマナスル初登頂の快挙もあり、空前の登山ブームが訪れていた時代で、ここも観光客や登山客でずいぶんと賑わったそうだ。

しかし営業開始後わずか数年で湖上を横断する2本の橋が架設される。
これにより自動車やバスで簡単に対岸まで通行が可能になったため、ロープウェイの乗客は当然激減。
開通からわずか4年後、営業不振により「冬季休業」という名目で一時休止されると、結局そのまま再び稼働されることはなく今に至っているのだという。

では、その「憎っくき」橋を渡り、対岸の駅に行ってみよう。
(続く)

後編はこちら

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