« 四百年前のノミの音(4)【宇佐美石丁場の場合】 | トップページ | 四百年前のノミの音(6)【大川石丁場の場合】 »

四百年前のノミの音(5)【下多賀石丁場の場合】

今度は伊豆・下多賀にある石丁場跡。
宇佐美ほどではないにしても、石を見学するには十分な整備が施されている。
そして内容が濃い!

Izuishi_41
正式名は「中張窪(ちゅうばりくぼ)石丁場」といい、熱海市立池田満寿夫記念館のすぐ上から山に入っていく。
佐藤陽子さんのご主人ね。

Izuishi_42
道はすぐにこんな「快適」なものになり、テンション上がる。Yajirushi2sss


Izuishi_45
ここでは山のあちこちに石を割るためのノミ跡(矢穴という)や鮮明な刻印の残った石たちを見つけることができる。
大きく良さそうな石だし、これだけ作業したのにどうして放置しちゃったんだろうね。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Izuishi_43
この石には丸印に井の字(丼?)の刻印、さらに「の十一」と書いてあるということだ。
十一って……
たくさんの石をここで確保したんだろうね。


Izuishi_44
こちらには鳥居のような印と、「慶長十九年」の刻印がみられる。
慶長十九年といえば、家康が君臨し始めた頃。
大坂冬の陣があった、まさに激動の年だ。


Izuishi_47
135号線沿いの公園にあった「多賀石」と同じく、この石にも美作・津山藩の初代藩主「羽柴右近」の名前がくっきりと彫り込まれている。
ほんとこの人は印ではなく、フルネームを書くのが好きだったんだね。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Izuishi_46
周囲を見渡して、ふと気が付いた。
もしかしてこの木、石の中から生えてない?
(マウスを置くと画像が切り替わります)
なんと、石割用に穿たれたノミ跡の隙間から、若木が伸びてしまったんだね。
矢穴の効能もよくわかる。
そのうち、石を真っ二つに割ってしまうのかも。
恐るべき生命力じゃないか。
よほど「キが強い」性格なんだろう。

(次が最終回)

(1)【伊豆海岸放置の場合】はこちら
(2)【修善寺石丁場の場合】はこちら
(3)【室岩洞石丁場の場合】はこちら
(4)【宇佐美石丁場の場合】はこちら
(6)【大川石丁場の場合】はこちら

|

« 四百年前のノミの音(4)【宇佐美石丁場の場合】 | トップページ | 四百年前のノミの音(6)【大川石丁場の場合】 »

旅行・地域」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

鉱山」カテゴリの記事

歴史」カテゴリの記事

コメント

今年は夕張市長選に出ていた羽柴さんとこの羽柴さん、つながりはあるんでしょうかねぇ。
自己顕示欲が強いのは共通のようですが・・。名前が書いてあるということはこの石、落し物の扱いになるんでしょうか?この土地の地主のものになるんでしょうか。そもそも地主は国?

投稿: | 2011.05.01 15:47

惑さん
選挙大好きの羽柴秀吉さんて、本名は三上さんでしょ。

夕張市長選では東京都の平職員が当選したんですよね。
市長になると、年収が200万円もダウンするんですって。
夕張市長の報酬も低いけれど、東京都職員の給与も高いから。

でも出馬すれば当落にかかわらず、公務員にはもう復職できない。
婚約者もいるのに、よく決心しましたね。
これからも夕張は石原知事が応援してくれることでしょう。

>名前が書いてあるということはこの石、落し物の扱いになるんでしょうか?

交番に届ける?
こんな大きな石、落とされても迷惑ですよね。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2011.05.01 16:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 四百年前のノミの音(5)【下多賀石丁場の場合】:

« 四百年前のノミの音(4)【宇佐美石丁場の場合】 | トップページ | 四百年前のノミの音(6)【大川石丁場の場合】 »