須坂(2) 「塀のうちそと」
蔵のまち須坂では市の公共施設なんかにも蔵造りになっているものが多く、興味深い。
たとえばこれは、製糸業で栄えた須坂の歴史を後世に伝えるための「ふれあい館まゆぐら」という施設。
内部にはゆったりとした休憩スペースがあり、地元のボランティアがお茶の接待をしてくれるということだ。
優しいね。
ま、お酒は出ないようなので僕は遠慮したが。
とにかく須坂にはこうした魅力的な蔵造りの建物が随所にみられるのだからたまらない。
駅から5分ほどの馬場町という所に来た。
道路から覗いてみると、広大な敷地の奥にここでもやはり蔵造りを模した建築物が窺える。
なまこ壁や石垣も見える。
ちょっと平面的な気もするが……
さらに近寄ってみる。
下部は石垣ブロックの組み合わせ?
上部はモルタルに巧みな造作やペイントを施したもののようだ。
どうやら、上手に蔵造りを模したものらしい。
公共施設としてはなかなかお洒落な優れものでしょ。
で、ここは何?
【種明かし】
ヒントは塀の角に立つ、照明を兼ねた大きな監視カメラにある。
塀の中には誰がいるの?
そう、実はここは 刑務所。
以前、安部譲二さんが「塀の中の懲りない面々」という人気小説を書いたけど、つまり「この塀」は、「その塀」なのだ。
だからおそらく塀の内側は足掛かりにならないよう、平滑になっているに違いない。
(見たことはないが)
ここ長野刑務所は以前善光寺の近くにあったものを、昭和35年須坂市の当地に移転した。
(長野市の跡地は北京五輪で聖火リレーのスタート地になったよね)
所内の作業場では、印刷や、洋裁、革や金属の加工なんかが行われているとか。
で、ここには今あのホリエモンが入所しているんだそうだ。
ホリエモンのツイッター 「ながの なう」
彼は、この塀の内でいったいどんな作業をしているんだろう。
ここより北の刑務所には暖房設備があるそうなので、逆にいえばここが日本で一番寒い刑務所ということになる。
ホリエモン、大丈夫かな。
信州の冬は、芯まで凍みることだろう。
あまり長居して、中からお茶の誘いがあると困るので早々に塀を後にした。
「隣に塀が出来たんだって」
「囲い~」
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