須坂(6)阿吽じゃない「阿阿の狛犬」
須坂は神社の多い町だ。
このみごとな鐘楼は須坂藩8代藩主堀直郷によって建てられたもの。
元は浮世小路の入り口にあったものがここに移設されたという。
例により、太平洋戦争時に鐘は供出させられたが、平成になって寄進され復活したそうな。
で、目的の神社はこの「奥だ」。
だから名前を奥田神社という。
これも須坂藩主堀氏の霊を祀って建てられたもの。
それならなぜ堀神社でなく奥田神社かといえば、堀の姓は家老時代に主君から賜ったもので、本来の姓が奥田だったから。
ちなみに須坂藩主堀氏の江戸の邸宅は目白にあった。
知ってるでしょ、角栄さんち。
相続で半分になっちゃったけど、今はあの田中真紀子さんが住んでる所ね。
こちらは上記の神殿より古い、本殿のほう。
すぐ隣に位置している。
よく見ると、上とは狛犬が違うことに気が付かないか。
わかりにくいのでアップにした。
神社の狛犬はそもそも左右対。
「阿吽(あうん)の呼吸」と言うように、向かって右側が「阿」(あ)で、左側が「吽」(うん)になっている。
「阿」は生まれた時、最初に出す音で「あ」と口を開けて発声する様子。
一方、「吽」は死ぬ時、最後に出す音で「うん」と口を閉じて発声する様子。
二つ合わせて「世の中の始まりと終わり」を示しているのだという。
こちらはちゃんと口を閉じたものと開いたものが対になっているね。
これが普通。
でもこちらはどうか。
右のは定石通り「阿」で、ちゃんと口を開いている。
ところが左の狛犬も口を開いてしまっている。(゚_゚)
あれ、こちらも「阿」?
これじゃ「阿吽(あうん)の呼吸」ではなく、「阿阿(ああ)の呼吸」になっちゃうじゃないか。
息が止まらない……
「阿~阿」
現場で撮影したわかりにくい動画はこちら
↓
【須坂】
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【狛犬リスト】
・天津小湊「廃神社狛犬」はこちら。
・横浜「砲弾を抱えた狛犬」はこちら。
・南知多「おかっぱ頭の狛犬」はこちら。
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