カタパルト跡と柿の木と(2)
--カタパルト跡と柿の木と(1)から続く--
三芳村の畑の一角。
里山の麓にひっそりとそれはあった。
このコンクリートの堤防のようなものが人間爆弾『桜花』の発射カタパルト。
敵艦隊からの艦砲射撃を避けるため内陸部に作られたんだね。
カタパルトは前方の南方向を向いていて、当時はこれら先を遮る樹々はなかったものと思われる。
またコンクリートにはレールを取り付けるための溝が規則正しく刻まれている。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
残念ながら折れて下方を向いてしまっているが、これが逆方向から撮影した最前端部。
戦時下のこととて荒いコンクリートだけど、かなりの厚みが隠れている。
背後の小山には格納庫として壕が掘られ、『桜花』を収納して敵機から隠すようにしていたそうだ。
しかし結局一機も発射することもなく終戦を迎える。
その後は直ちに米軍が訪れて、壕ごと爆破していったということだ。
その壕の跡にはいまもなお飲み物などが供えられていた。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
カタパルト跡にはいつしか一本の柿の木が育ち、毎年照柿色の実をつけるようになった。
戦後60有余年……
いま柿の木は何想う。
もう一つの桜花基地はこちら。
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↓
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