一国一城の主になった人
男であれば、「一国一城の主」というのは誰でもみる夢だろう。
そんな夢をほんとに叶えた人がいた。
ここは茨城県の稲敷市。
赤いレンガの西洋館からもほど近いところだ。
新興の住宅地の中、深い緑に囲まれた一角がある。
竹林の左手、どうみてもこれは普通の建物じゃないよね。
実はこれが個人が自宅の敷地内に建ててしまったお城。
正式名を『天守之櫓』(てんしゅのやぐら)という天守閣だ。
昭和58年に完成。
立派な石垣は6m、その上の建物は約10mもあるという。
天守は二層で、石垣内の階と合わせ木造3階建てとなっている。
屋根の鯱瓦は立派だけど、よく見るとススキが生えているよ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
なんでも戦争を体験したご主人が仲間の慰霊のために建てたんだとか。
別名『日本名城資料館』といい、一層は板張りの間で全国の城郭写真や模型、武具、資料などを展示。
二層は畳敷きの間で郷土の歴史・文化の紹介や客間などがあったというが、今は入れない。
なぜなら築城からわずか6年で城主が死去。
その後は後を継ぐ者もなく、お家断絶になってしまったからだ。
やはり個人で建てた、鹿島の竜宮城のような哀しい運命だね。
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