前は海、でも団地の奥は砲撃の跡
ここは横須賀にある、かもめ団地というところの一角。
これは奥を見通しているが、背後はもうすぐ海だ。
カラフルな児童遊具が心を和ませているけれど、隣は横須賀航路標識事務所で手前は東京湾海上交通センター、そしてこの建物は海上自衛隊の鳥ヶ崎官舎という、なんだか緊張を強いられるシチュエーションになっている。
そしてここからではよく見えないが、突き当たり、緑の中に今回の目標が隠れている。
ほら、こんな大きな掩蔽壕が山肌に口を開けていた。
進入を阻む金網フェンスの高さがほぼ人間の背丈くらいだから、入口の高さは5m位もあるだろうか。
一見、トンネルのような形をしているがそうではない。
航空機を格納する掩体壕という訳でもない。
横に廻って撮影したところ。
分厚いコンクリートはこれがかなり本格的な造りのものであることを示している。
これは何?
内部を覗いてみるとかなり崩れている部分のあるのが見えるだろう。
中に入ることはできないが、外部のコンクリートにも銃弾の跡が残っている。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
そう、内部の破損は繰り返し銃撃を受けたためなのだ。
とはいえ銃弾は敵から発射されたものではなく、日本海軍自身が撃ち込んだもの。
つまり、艦砲射撃の目標に造られたものなんだね。
正式名称を「横須賀海軍鎮守府鳥ヶ崎洞窟砲台」といったらしい。
ただ洲ノ崎の試射場が陸からのものだったのに対し、これは海からのものだったようだ。
今はのどかな団地だけど、こんなところにも戦争の傷跡が残されているんだね。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
↓
【戦争遺構】
富津岬・軍事施設跡はこちら。
茂原の掩体壕はこちら。
州ノ崎の試射場跡はこちら。
府中の米軍通信基地跡はこちら。
丹沢に墜落した戦闘機のエンジンはこちら。
三芳村の桜花カタパルト跡はこちら。
柏の燃料庫跡はこちら。
大月の監聴音壕はこちら。
サイパン帰りの戦車はこちら。
焼夷弾と戦った墓石はこちら。
野島公園の掩体壕はこちら。
横須賀の砲台山はこちら。
砲弾を抱えた狛犬の神社はこちら。
・剣崎の探照灯庫跡はこちら。
・剣崎の砲台跡はこちら。
・披露山の砲台跡はこちら。
・三浦半島・諸磯崎洞窟陣地はこちら。
・追浜の海軍格納庫はこちら。
・二川のトーチカ跡はこちら。
・渥美半島福江観測所跡はこちら。
・渥美半島陸軍気象観測塔跡はこちら。
・習志野の支那囲壁砲台はこちら。
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コメント
新年早々衝撃的な歴史遺構ですねえ〜。
ワタシも近く長年住んだ町から引っ越すのでその前に近くの陸軍登戸研究所は覗いてみたいのですが…。
投稿: 山おばさん | 2012.01.02 10:59
山おばさんさん
おめでとうございます。
「新年早々」……
もちろん探索したのは去年のことなんですけどね。
団地のすぐ裏にこんなものがあるというのは驚きでした。
「陸軍登戸研究所」
そんなのあるんですか。
φ(..)メモメモ
引っ越しすると、ホームグランドの丹沢から遠くなっちゃうんですか?
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2012.01.02 12:04