都心に残る、廃線橋梁
ここは江東区豊洲。
昔は工業地帯の埋め立て地に過ぎなかったが、今はウォーターフロントと呼ばれる高級地になった。
左手は子供に人気の『キッザニア』で、ここはその隣にある緑地部分になる。
うまくモニュメントの一部になっているが、真ん中を貫くのは紛れもなく鉄道のレール。
そう、ここにはかつて鉄道が走っていた。
右手にカメラを向けてみる。
右の高い建物は『パークシティ豊洲タワー』。
左は『晴海ビュータワー』いずれも人気の超高層マンションだ。
そして中央に見える赤茶に錆びた橋。
これが都心に残る遺構。
廃線となった晴海線の名残、旧橋梁『晴海橋』だ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
優美な橋桁は鉄道橋としては初となるローゼ橋という形式。
隣を走る片側4車線の広い都道は晴海通り。
絶え間なくクルマが行き交うが、隣の錆びた橋に目を向けるものはない。
なぜなら…… 脇見運転になるものね。
なお道路の名前は晴海通りだが、橋のほうは春海橋と書く。
都はるみは平仮名だ。
とかく名前は難しい。
晴海線は東京都専用の臨港貨物鉄道。
戦後30年に渡り晴海埠頭で水揚げされた貨物を運び続けたが、平成2年に廃止された。
橋の向こうは晴海線最大の遺構だった『機関庫』で、機関車と共に詰め所が残されていたそうだが、僕が関心を持った頃にはもう再開発で解体されてしまっていた。
もう残るのはこの橋だけ。
憧れの昭和・原風景。
この橋もいつまでここにあるのだろうか。
都会に遺構は住みにくい。
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