明治・土木の誇り、汐止橋
千葉県の西岸に位置する保田(ほた)の砂浜は穏やかな遠浅。
だからよく東京の学校の臨海学校に使われるところ。
(自分の小学校でもそうだった)
その保田の静かな住宅の中に、汐止橋はある。
海からここまでかなり距離があるが、汐止と言うのだからかつてこの辺りまで潮は押し寄せたのだろう。
元名川に架かる橋の親柱を見ると明治28年3月とあるから、なんと今年で117歳ということになる。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
すごいね。
この橋は日本土木学会選奨の土木遺産に認定されているのだが、その理由はただ古いからというだけではない。
この橋の価値は、橋の上にいたのではわからない。
脇に廻ってみた。
ほら、みごとな石造りのアーチ橋になっている。
しかも近辺にある他の石造橋はアーチのスパンがみな10m以下なのに対し、この汐止橋は13m以上もある。
使われているのは地元の保田石というものだけれど、その積み方にも特徴がある。
普通は石を水面に対して平行に積むのに対し、ここのは中央に向かって斜めに傾いて積まれているのがわかるだろうか。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
これでは最上部の処理も難しい。
素人目にも想像はつくが、やはり技術的にかなり高度のものなんだそうだ。
急な土手を降りて、下から見上げてみた。
いかにも重厚で存在感のあるアーチ造りだ。
さらに下の方に目をやると、アーチの曲面が下方向にまで伸びているのがわかる。
つまり、いわゆるトンネルのような半円ではなくて円形に近くまで石積みが行われているんだね。
その必要性はわからないが、明治の人が良い仕事をしたことはわかる。
これだけの橋なのに、とても静かな所にあるためかあまり知られていないようだ。
実際、自分が小一時間いた間にも、郵便屋さんのバイクが1台通っただけ。
誰か、橋の下を見て~☆
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