桂川・水路の旅(7)
【天久保水路・落合平】
桂川・水路の旅(6)から続く。
富士吉田市で合流した忍野・鐘ヶ淵の両発電所を経た山中湖からの水、そしてうそぶき水路を経た河口湖からの水は、桂川の明見取水口から取り込まれ、都留に向けひたすら山の中をくぐり抜ける。
この辺りは山深くて航空写真も鮮明でなく、水路を確認することが難しい。
そして地図を眺めていて、一番怪しく感じられたのがここ。
大きな水管と、管理のためかしっかりした階段も見受けられた。
注意していれば、中央道からも見える所だ。
この上に何か手掛かりがありそうだ、探索してみよう。
階段の途中から振り返るとこんな感じ。
下の照明設備は西桂町・町民グラウンドのためのもので、そのさらに奥白く見えているのが中央道のフェンスだ。
ここからさらに荒れ地を登ってはみたものの、この水管はグラウンド設営により埋め立てた沢の水を通すためのようで東電水路とは無関係。
結局、上部には何も水路の手掛かりは見当たらなかった。
こういうのを徒労という。
再度地図を確認、また別の小さな沢の表記に当たりつけて登ってみた。
すると沢の上部は両岸が石垣で整備されている。
明らかに人工的な手が加えられたものだ。
しかもさらに上部は流れの底部がわざわざ新しいコンクリートで舗装されている。
怪しい。
ついに水路が見つかった。
山の上部に向けて撮影しているので、東電の水路は右から左へと横切っていることになる。
奥の石垣と手前の石垣のちょうど間が水路だが、この部分完全に暗渠になっている。
石垣の左手にある大きなバルブのようなものは、圧力を逃がすためのもののようだ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
左手を撮影した。
東電の看板もあるが、残念ながら水路は塞がれたまま山肌深く突入してしまっていた。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
また別の沢を当たってみた。
(この時は真冬)雪を踏みしめ山道を登っていく。
地図と照らし合わせていろいろ探ったものの、ほとんどが地中トンネルで水路を見出せない。
やっと標識に到達した所はわずかな平地で、その名も『落合平』となっていた。
四角いコンクリート石版で覆われた部分が水路だが、すべて暗渠になっていて見えるのは苔むした冷たい石板の列ばかり。
すでに夕暮れ。
ふと北の方角に目をやれば、寿駅が彼方に望まれる。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
人里が恋しくなった。
山を下りよう。
--桂川・水路の旅(8)に続く--
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