桂川・水路の旅(1)
【駒橋発電所・落合水路橋】
桂川・水路の旅(0)から続く。
きっかけはここからだった。
前にも紹介した、山梨県都留市にあるこの水路橋。
中央道・都留インターの近くにあり、国道139号線(通称:ふじみち)からもよく見える。
正式名『東京電力・駒橋発電所落合水路橋』
東京で増大した電力を賄うためここ桂川水系に発電所が作られ、そこで使う水を供給するための水路として架けられたもの。
(電力は現在地元の山梨県に供給)
下を流れているのは桂川の支流、朝日川。
橋はその朝日川を3連アーチで跨ぎ、さらにその東(左)側で用水や道路などに4連を持つ全部で7連のアーチ。
朝日川はこのあとすぐに桂川へ合流する。
これは橋を潜った反対側から。
橋本体は煉瓦とコンクリート製。
当時の東京電燈(現東京電力)が1907年(明治40年)に建設したもので、国の登録有形文化財に指定されている。
本流の脇、一段高くなった端には他とは形状の異なるもう一つのアーチ。
こちらを流れる水は灌漑用水だ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
橋の上に流れているのも実は水で、つまりここは3系統の水が立体交差になっている訳だ。
ちなみにこれは100m上から見たところ。
橋の上を直角に水が渡っていくのがわかる。
さらに500m上から見下ろした。
やはり上を流れているのは水だった。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
↓
調べると、標高約980mの源流地点から標高約170mの相模湖まで、山梨県内の桂川には明治から大正に掛けて全部で8つもの水力発電所が作られていた。
そしてそれらは今も全て稼働している。
原発事故のせいでいま肩身の狭い東電だけど、桂川の水は今もこうして変わらず東電を支え続けているんだね。
その働き者の健気な水路を最初から辿っていこう。
--桂川・水路の旅(2)に続く--
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