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2012年6月

桂川・水路の旅(19)

【猿橋公園、そして桂川】

桂川・水路の旅(18)から続く。

Neko_01s18のネコちゃんは知らなかった水の行方だが、観音さまが見守っていた。
33体の観音さまは桂川を挟んだ河岸段丘の妙見山に安置されている。

Myouken_01

古びた観音さまたちは戦国時代からという由緒あるものだが、中央道の工事により再三移転を強いられ、結局現在の高台に落ち着いたそうだ。
背後はその中央道を行き交うクルマの騒音で喧しいが、観音さまの視線の先には水路の取水口が見えている。


Myouken_02

そしていったん地下に姿を消した水が再び顔を出した所は意外と近かった。
大月市立猿橋公園へと降りる坂の途中、崖の下にいつもの水路を覆うグリーンのフェンスが見えたのだ。

アーチが歪んだように見えるのは、あなたの目が眼精疲労を起こしているから……
ではなく、訳あってアーチの径が巧みに変更されているからだ。
近寄って覗いてみると、大きくなったフェンスの中には整流のためらしい幅広い水門の列が隠されていた。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
そして水は再び一本に集められて暗渠へと入っていく。


Myouken_04

突然だが、いま桂川の川岸に立っている。
はるか上に見える橋は国道20号線(甲州街道)の新猿橋。
写真なら簡単だけれど、ヤブを掻き分け国道からここまで降りるのは容易ではない。


(日本土木学会図書館蔵)
Myouken_old

Myouken_new

上の写真のトラス鉄橋は旧中央線のもので現在はもう路線変更がされて存在しないが、その下のアーチ橋こそ東電の水が初めて桂川を渡る水路橋。
国指定の重要文化財になっている。
水路が桂川と交錯するのは後にも先にもこの1か所だけの筈だ。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら

--桂川・水路の旅(20)に続く--

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桂川・水路の旅(18)

【八ツ沢発電所取水口】

桂川・水路の旅(17)から続く。

駒橋発電所で役目を終えた水は、休むことなくすぐまた次の八ツ沢発電所への仕事に取り掛かる。

Komahashi_26

まずはすぐ隣を流れる桂川の本流から援軍の水を補充する。
並んだ水門の向こう側が桂川になる。


Komahashi_25

左奥に見える石垣の向こうから取り入れた水はその手前の沈殿池へ。
ここで川の水に混ざった砂や小石が取り除かれ、泡だった排砂門を経て手前の水路に流れ左側から来た駒橋発電所からの水と合流する。


Komahashi_27

そして右隅にあるこの水門から地下水路となって大野貯水池を経てさらにはるか八ツ沢発電所まで送られていく。
Dai1go
レンガ造りの水門上部に取り付けられているプレートには『第1号ズイ道』の文字。
(この『第の略字』、誰でも知っている文字なのにJISコードになくて変換できないのね)


(日本土木学会図書館蔵)
Komahashi_old2_2

Komahashi_new2

上の写真は建設当時、この取水口を下流側から撮影したもの。
左奥に走る蒸気機関車の煙が昔の写真であることを証明してる。
下の写真はほぼ同じ場所の現在のもの。
施設にあまり変化はみられない。
ほんとうはもう少し上部から撮影しないとならないのだが、同じ位置まで上がると茂った木々が邪魔してほとんど取水口を見通すことができなくなってしまう。
明治末期の完成だものね、100年の間には樹々だって確実に成長するのだ。


Neko_01 Neko_02

近くにネコちゃんがいたので消えた水路の在り処を尋ねてみた。
「……」
無言で立ち去る後ろ姿が返答らしい。

ません」 、か。

OK~ またね~☆

桂川自体の傾斜が緩やかになったこともあり、この取水口から次の七つ目となる八ツ沢発電所までの道のりはひたすら長い。
ここの標高約340m。
山中湖からはすでに640mも下った。

--桂川・水路の旅(19)に続く--

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『つらい決断』の代表監督

全日本女子バレーのロンドン五輪代表メンバーを真鍋監督が発表したね。
ワールドGPを終えた夜、宿舎の自室に17人をそれぞれ呼んで五輪の当落を伝えたんだって。
代表は12人だから、5人には落選を伝えなければならない。
期待の迫田さおり選手は残ったけれど、栗原恵選手は落選しちゃったものな。
監督によれば、これが『一番つらい仕事』なんだそうだ。

女子サッカーのなでしこジャパンも同様だ。
W杯では21人だったのに、ロンドン五輪に行けるのは18人。
確実に誰かが落選する。
発表は7月2日。
これを伝える佐々木監督もつらいだろうね。

そのロンドン五輪は7月27日開幕。
Ani_neko_mike
ロンドンのねこが ねころんどん

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祝! 服部真夕選手優勝

Ani_buta_golf昨日行われた女子プロゴルフの「アース・モンダミンカップ」で服部真夕選手が今季初優勝したね。
これで実に8週ぶりとなる日本選手の優勝。
韓国や中国の選手が日本ツアーに参戦してくれるのは刺激になっていいけれど、毎週、毎週優勝を持って行かれたんじゃあね。

今回だって最終ホールまで韓国のアン・ソンジュが首位争いをしていて、服部選手の劇的なイーグルパットがなければまた外国人選手に勝利をさらわれかねないところだった。

それでもまだ賞金ランキングでは1位も2位も韓国だものな。
実にトップ10のうち5人が韓国人選手で5人合わせて約2億円。
まだ6月なのにだぜい。
名誉もともかく、これじゃ日本円の流出だ。
頑張れ! >日本女子選手

日本選手の改善点はやはりスタミナだろう。
疲れた時こそ、しっかり打って欲しいぞ。

よっこらショット

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魅力的な『ハジキ』

Hajiki2s千葉県の前平井遺跡という所から、魅力的な『ハジキ』が出土したらしい。
ハジキといったって、その筋のお兄さんが使うドンパチの類ではない。
なら、いったいなんだと思う?

漢字で書けば『土師器』
まあ、弥生式土器の一種らしい。
ドキドキした?

注目なのはそこに書かれた「酒」「酒」「酒」……という文字の羅列。
なるほどお酒が次々と出て来るハジキならうれしいね。
15連発とか。
ふむ、昔も今も、やっぱり望むことは同じだったんだ。
Hajiki


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離党届強要罪

Ritoutodoke消費税率アップに反対する小沢一郎議員のグループが会合してすでに離党届をとりまとめたそうだ。
離党するのは勝手だけど、その手法に驚かされる。
小沢氏が別室で議員1人ずつと面会し、離党届への署名を求めたんだって。
すごいね。
こんなシチュエーションで断れる小沢派の議員がいるんだろうか。
名前のわかっているうち、30人が1年生議員だもの。
こんなの『離党届強要罪』なんじゃない。

ところでこの45人の中に鳩山由紀夫さんや田中真紀子さんらは入ってないんだね。
原口一博さんや海江田万里さんも一派だと思っていたけど名前がない。
同調しないのか。
不思議な世界だな。

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桂川・水路の旅(17)

【駒橋発電所】

桂川・水路の旅(16)から続く。

山の上の水槽から、下の駒橋発電所まで降りてきた。
中央線を走る電車の中からも見えるこの大月市の発電所は1907年(明治40年)に運用開始という、桂川水系でも最も古い発電所。
電力需要が急速に高まった東京まで長距離送電を開始した、まさに草分け的存在だ。
最大出力21,200KWは次の八ツ沢発電所に次ぐ、全体で2番目の規模になる。

Komahashi_new

発電所の本屋は水管真下にある白い建物。
左手に見える4階建てマンションは東電の『新駒橋社員寮』だ。
(ちなみに前に書いたキリンの病院はこの奥にある)

(日本土木学会図書館蔵)
Komahashi_old

建設当時の写真と比べると激減した水管の淋しさが、歴史の流れを目に訴える。

Komahashi_21

竣工当時は8本の水管があったというが、老朽化に伴い次第に廃止。
現在はわずかにスイス製フランシス水車&発電機による2本が使われているだけ。
右側にはその廃止された水圧鉄管のアンカーブロック跡が残り、不思議な景観を醸し出している。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Komahashi_24

急降下した水管は一度水平になってまず国道20号線(甲州街道)の下を抜け、さらに中央本線の上を跨いだあと再び発電所へと降りて行く。
水槽から下の駒橋発電所までは80mほどの高度差がある。

Komahashi_02

アンカーブロックの部分をアップにしてみた。(撮影時期が異なります)
大きい2つの穴は廃止された水管の名残りだが、興味深いのはさらにその右横にある小さな穴のほうだ。

水力発電機にはその仕組み上電磁石が使われているのだが、通常はコイル式なのでそのための電力はよそから持ってくる。
ところが駒橋発電所は周辺で一番最初の発電所だったため、そもそも最初に使う電気そのものがなかった。
そこでここではコイルではなく、まず永久磁石を使った小規模水力発電により電力を起こし、それをさらに本体の起動用電力に使ったんだそうだ。
その小規模水力発電用の鉄管の跡が右側の小さな穴という訳。
ふむ、なんでも歴史を作る先駆者というのは苦労するんだな。


Komahashi_23

なお発電所の一角には旧・桂川電力が鹿留発電所で使っていたという1912年ドイツ・フォイト社製のフランシス水車が展示されている。
実物を見ると、超デカイ。
残念ながら構内には入れないので望遠レンズで『盗撮』した。
(マウスを置くと拡大します)

--桂川・水路の旅(18)に続く--

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洗いざらしのアザラシ

Azarashi台風4号の襲来でニュースが持ちきりになった昨日19日、江ノ島近くの海岸で衰弱したアザラシ1頭が見つかり、新江ノ島水族館が保護したそうだ。
それにしても白いアザラシは珍しい。
きっと洗いざらしなんだな。

まだ確認はされていないものの、どうやら17日に平塚市の相模川河口付近の海岸にいた、あのワモンアザラシかクラカケアザラシの子供のようだ。
特徴はアザらしい。
あの時は周囲を威嚇するなど元気だったのに、やはり荒れた海で衰弱しちゃったのかな。

2回目の登場だから名前が付くかも知れないけれど、保護されちゃったから3回目はなくなった。
3回顔をみせれば住民票がもらえたのに……。

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カメへん、カメへん

昨日夕方、愛知県の名鉄三河線構内でポイントが切り替わらなくなる事故があったそうだ。
この解消のため現場では約25分間に渡って運転を見合わせ、計上下4本が運休し約1500人に影響が出たという。


その原因が、なんとカメちゃん。
線路を横断中、ポイントに身体が挟まって動けなくなってしまったんだって。
カメちゃんは無事救出され、列車往来危険罪に問われることもなく無事放免になったという。
カメへん、カメへん」か。
なんか、のどかでいい。
轢かれる前に見つけてもらって良かったね。

でもこんなの、もしも東京の山手線であったらタイヘンな影響だ。
夕方の25分間といったら、山手線なら上下(?)約20本走ってる。
最大1両162人の定員で11両編成。
この時間帯の乗車率が216%というから、計算すると実に7万7000人の足が奪われることになるものな。
それじゃとても「カメへん」なんて言ってられない。

「この カメ~☆」

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切れたザイル?

Mckinleyおおかたの人からは顰蹙モンなんだろうけれど、北米のマッキンリーで遭難事故が起きちゃったね。
マッキンリーといえばあの植村直己さんも消息を絶ったくらいの魔の山で、天候が崩れればエベレスト以上の難所という。
遭難した4人はいずれも山のベテランらしいけど、原因が突然の雪崩れというのではしかたないのかも。

それでもたった一人生還した隊長によれば仲間と結んでいたロープ(ザイル)が切れていたというのは不可思議だ。
井上靖さんの山岳小説『氷壁』の時代ならともかく、現代のロープは低温下でもそう簡単に切れたりはしない筈。
ロープ最大の敵は岩角で擦れることだけど、見たところ現場は一面の雪原で岩などまったく見えないものな。
よほど細いロープで繋いでいたんだろうか。
真相がわかるといいけど。

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アマリリス、もっと咲いた

アマリリス (拡大します)

Amaryllis

先週は2輪だったアマリリス、4輪になった。
雨も似合う。
「よく手入れしている」ので、ちゃんと咲いた。
(^.^)v


Bag_s川崎のショップで購入した青いベルトのキャリーバッグ、返品できませんか。
1回使っただけでほとんど新品なんですけど。

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桂川・水路の旅(16)

【駒橋発電所・上部水槽】

桂川・水路の旅(15)から続く。

沢井で二つの水路橋を渡った水は再び山の中に突入し、長い旅の末にやがて大月盆地を見降ろす山の上に達する。
この間に本流の桂川とは80m近い落差を稼ぎ出している。

Komahashi_11

大月バイパスから外れ、地図を見ながら狭い山道を登り詰めるとその水路に当たった。
右下に見える水路は自然の流れのためのもの。
肝心の水路はしかしまだ蓋の付いた暗渠のままだ。
左手の舗装道路のような部分の下がその水路になっている。


Komahashi_17

暗渠に沿って実に1キロほども歩くと、やっと水流が顔を覗かせた。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
この辺り、傾斜が緩やかなので流れも至極穏やかで音もまったく聞こえてこない。
突き当たりの小さな尾根は、水路もトンネル、左下の巡視路もトンネルで抜ける。


Komahashi_13

これが巡視路のトンネルを潜り抜けたところ。
縁の部分は落ち着いた色のレンガで縁取られ、いい味を出している。
ただの通路だというのに、明治の仕事はこういうところがお洒落。
(完成は明治40年)


Komahashi_14

そして現れた駒橋発電所の上部水槽。
ここからこの満々と蓄えられた大量の水が急角度の水管で下の発電所に落とされるんだね。
巨大なウォータスライダーという訳だ。
(マウスを置くと反対側から見上げた画像に切り替わります)
ここの標高約400m。
山中湖から580m下ってきた。


Komahashi_15

水槽の一角にはこんな秘密の地下室入口みたいなものがある。
もちろん実際はそうではなく、水槽の水が増した時の余水(オーバーフロー)口。
ただ、ここの余水路は鹿留発電所のような直線型のものではなく、段々に作られている珍しいもの。
これも明治職人の「粋」というものなのか。
(マウスを置くと画像が切り替わります)

現場を歩いたよくわかる動画はこちら
                

--桂川・水路の旅(17)に続く

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桂川・水路の旅(15)

【駒橋発電所・沢井2号水路橋】

桂川・水路の旅(14)から続く。

1号水路橋から水路に沿って下っていく。

Sawai_12

途中には水路のさらに上部を細い通路が横切っているのだが、それを潜る巡視路までがレンガ造りのアーチでできている。
明治の仕事はみごとなものだ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Sawai2_02

水路は開渠と暗渠(蓋付き)を繰り返しながら続く。


Sawai_21

さらに歩き続けると、やがて脇に下に降りる階段が現れた。
再び水路橋だ。
傍らに立てられた標板によれば、『沢井2号水路橋』とある。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
さっそく降りてみよう。


Sawai2_01

1号と同じくやはり1907年(明治40年)の竣工とみられるレンガ造りのこちらは3連橋。
アーチの基部にはまた横向きに角度を変えた小さなアーチが。
一つ目のは半ば土砂に埋まっているものの健在だったが、他方は強度のためなんだろうか、コンクリートで完全に塞がれていた。
素敵なデザインなのに惜しい。


Sawai_24

これはアーチを潜った反対側から。
このイギリス積みレンガ造りの圧倒的な存在感。
下を流れる沢なんて水が増したとしてもヒョイと飛び越えられるほどのものなのに、お水さまはこんな見事な建造物で渡っていく。
東京電力(当時の東京電燈)の仕事はやはりすごかった。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

--桂川・水路の旅(16)に続く--

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今年も咲いた、アマリリス

 アマリリス (拡大します)
Amaryllis

今年もアマリリスが咲いた。
たいして手入れもしていないのに、よく咲いた。
えらい。

もっと咲いたアマリリスはこちら

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桂川・水路の旅(14)

【駒橋発電所・沢井1号水路橋】

桂川・水路の旅(13)から続く。

桂川から離れた水路は、その支流である朝日川を渡る。
その風景は桂川・水路の旅(1)で紹介した通り。
落合水路橋を渡った水はやがて田野倉の山麓に入り、長い旅を続ける。
次に水路橋が姿を現したのは、大月市の沢井という所。

Sawai_11

右の道路は国道139号線「ふじみち」。
左手を走るのは富士急の大月線で、このためこの四角い穴のようなカルバート(トンネル)を抜けて奥の集落へと入っていく。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
カルバートの幅や高さは軽トラックがやっとだろう。
擦るといけないので、止むなくフェラーリFerrari_sは下に置いてきた。


Sawai_12b

目指す水路橋へはそこからかなりの急坂を上っていかなければならない。
もう桂川ははるか下になった。
(写真は振り返って撮影)
ここの標高約410m。
山中湖から570m下ってきた。
この時点ですでに桂川とは40mほどの高度差を稼いでいる。


Sawai1_01

そして現れたのが『駒橋発電所・沢井1号水路橋』
みごとなレンガ橋の上を、青々とした水が勢いよく流れているのが見える。


Sawai1_02

一番奥の部分は埋もれているが、1907年(明治40年)の竣工とされる5連のアーチ橋はみごとなレンガ造り。
ただここも下に川などはなく、舗装された道のようなものがあるだけ。
その道もどこにも続いてはいない。


Sawai1_04

イギリス積みに積まれたレンガは美しい造形をみせているが、かなり傷んだ部分も見受けられて気掛かりだ。
なにしろ、今年で105歳だからねえ。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

--桂川・水路の旅(15)に続く--

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桂川・水路の旅(13)

【川茂発電所】

桂川・水路の旅(12)から続く。

谷村発電所で役目を終えた水は、いったん桂川に戻った。
そしてその桂川沿いに建つのが小ぶりの川茂取水口。

Kawamo_01

桂川には堰が設けられ、再び発電用の水が取り込まれる。
手前に見えるのが取水された水で、低いアーチが並んだ取水口の向こうが桂川本流だ。
よく見れば、この石造りのアーチもなかなかいい味を出している。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Kawamo_02

(C)Saysaysay
Kawamo_sakura桂川系東電の発電所には必ずといっていいほど植えられている桜の樹だが、とりわけここ川茂のSakura_tree_sは春先市民の憩いの場所として親しまれているという。

取水された水は右に流れて発電所へ。
川茂発電所は1924年(大正13年)の完成、最大出力2,500KW。
8か所の桂川水系発電所の中では下から3番目に小さなものになる。


Kawamo_03

振り返れば雪を頂いた富士山。
発電所は大正時代のものだから、当時は近くにこうした民家もなかったんだろう。
それでも輝く富士の姿に変わりはない。


Kawamo_06

川茂発電所を出た水は再び水路となってまず中央道の高架下を通過。
そしてさらに富士急行の線路や用水路を潜っていく。


Kawamo_04

右から緑のネットの下を流れてきたのが東電水路の水で、左の線路が富士急行、右手を縦に流れる樋は灌漑用の農業用水だ。
線路で撥ねられるか、灌漑用水に足を取られるか、はたまた東電水路に落ちるか、危険はいっぱい。


Kawamo_05

右上は中央道。
そして富士急の電車がやって来た。
いずれも河口湖から大月まで道を共にする富士急の線路と東電の水路。
線路と水路とがこうして交錯するのは、山中湖のスタート以来ここが初めての筈だ。
そしてこの先にももうないだろう。

ここの標高、約450m。
山中湖から530m下ってきた。
遠くからまだ富士山が見守っている。

--桂川・水路の旅(14)に続く--

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頑張れよ、日本の女子プロ

Ani_buta_golf昨日まで韓国勢に5打差もつけて服部真夕が独走の首位だったサントリー・レディス・オープン。
今週は大丈夫だと思ったのに、終わってみれば韓国のキム・ヒョージュが史上3人目というレコードで逆転優勝。
それもまだ高校2年生だというんだからイヤになる。

アマチュアだからなんだろうけど、企業のロゴはなく、胸には太極旗(国旗)。
キャップには大きく「KOREA」の文字。
まるで日韓戦に負けたみたいなダメージだ。

これで日本の女子プロゴルフツァー、アン・ソンジュ、朴仁妃、李知姫、フォン・シャンシャン、全美貞に続いて実に6週連続で韓国勢に優勝されている。
(フォン・シャンシャンは中国だけどね)
そんなだから、賞金ランキングだってもちろん韓国勢が1-2-3。
まるで大相撲のモンゴル勢みたい。
日本女子はどうしたのさ。

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お堀のタヌキの滑り台

スカイツリーに登った日、実はそのあと皇居のお堀を訪ねていた。
時間でいえば、スカイツリーにいたのは1時間程度で、お堀周辺にいたのが3時間以上だからむしろこちらが本題。

Ohori_01

目的は表記の通り、お堀のタヌキだ。
全国ニュースになったかは知らないけれど、数日前から東京では皇居のお堀に野生のタヌキが現れて大きな話題になっていたのだ。
そしてこれがやっと見つけたその現場。
ここにたどり着くまで、地下鉄4駅分くらい探し回ってしまった。
皇居のお堀って、たくさんあるんだもの。


Ohori_02

 【TBS News より】
Ohori_05
この下の穴からタヌキが顔を出すのが目撃され、救出用にこんな足場が組まれた訳。
板には誘導用のドッグフードも置かれている。
使われている脚立や板は、宮内庁の備品ということかな。
一度、タヌキはこの板のスロープを登ろうとしたものの、急過ぎて登れなかったという。
滑り台なんて上から降りるから面白いのであって、下から登るのなんて楽しくないものな。

そもそも、お堀の石垣がこんなに荒くて隙間があるのに驚いた。


Ohori_03

これはすぐ近くにある和田倉門近くの江戸城石垣だけど、こちらはクスコにあるインカの石組みみたいにカミソリすら入る余地がない。
どうだい大将。
日本人の技ならこうでなくっちゃねえ。


Ohori_04

この日、いくら待っても結局タヌキは姿を現さず。
水音がしたと思ったら、お堀の亀だった。
大山鳴動、亀さん一匹かい。

周辺がわかる現場の動画はこちら
                

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スカイツリーに登ったぜい(続続)

キレイでしょ。
スカイツリー見物の帰り、奥さんに内緒で行った錦糸町のキャバレー……
ではなくて、スカイツリーの高速エレベーター内部。

Skytree_21

プラネタリウムみたいでとても幻想的だね。
これなら子供も喜びそう。
スカイツリーのエレベーターは速いぞ。
分速600mは、サンシャイン60と並んで国内最高。
ではなくて、残念ながら横浜ランドマークタワーに次いで国内2位だそうな。
(スカイツリーは東芝製で、他は三菱電機製)


拡大します
Skytree_22

そしてこれは上部から見下ろしたスカイツリーの基礎部分。
三角形から円形に移っていくスカイツリー独特のひねりが感じられる。
窓から身を乗り出して撮影した。


拡大します
Skytree_23

まさか、そんな危険なことができる筈がない。
そう、これは天望デッキにあるスカイツリー名物のガラスフロアを通してなのだ。
見よ、この圧倒的な高度感。
繰り返すけど、窓ではなく床ね。


拡大します
Skytree_24

大丈夫とわかってはいても、足の下に350m下の通行人が見えるというシチュエーションは怖いぜい。
とてもワイルドになんぞなれん。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

スカイツリーに登ったぜい(1)はこちら
スカイツリーに登ったぜい(2)はこちら
東京タワーになった?スカイツリーはこちら

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スカイツリーに登ったぜい(続)

スカイツリーは7月10日まで完全予約制だけれど、時間指定チケットを確保していたとしてもすっと入れる訳ではない。

Skytree_10

まず東京ソラマチ4階の屋外で時間まで並ばされる。
隣は空いているけれど、30分単位で指定時刻が違うからだ。

さらにビルの中に入っても待つ。(マウスを置くと屋内に替わります)
こうして並んで待つのが嫌いだから予約チケットを買ったのに、これじゃまるでネズミーランドじゃん。
わかりにくいけれど、行列の上の黒いものはズラリ並んだ液晶モニター。
なんか、スカイツリーの説明ビデオをやってたみたいだけど、真上じゃ見えんよ。


(Data:Tokyo Skytree)
Skytree_14b

上が「天望回廊」(450m)で、下の大きいのが「天望デッキ」(350m)。
スカイツリーのウリである天望回廊は、外側のチューブのような傾斜道を「」から「」までぐるりと歩いて一周する。
で、僕が今回一番期待していたのが、このBから見下ろす眺めだ。
ここからならAにいる観光客を外側から見ることができる筈。
タワーの内部にいながら他の人を外側から撮影するなんて……
こればっかりは、世界のどのタワーでも経験できまい。
(なお天望回廊のチケットは事前購入できず、天望デッキに着いてからまた並んで買わなければならない早い者勝ちなので、2時間という制限があるツアーではまず行けないという不評なもの)


Skytree_12

そしてこれがその一枚だ。
どうだい、スカイツリーの外側から他の観光客を撮影しちゃったぜい。
ワイルドだろう。
こちらは高さ450m、向こうは445mだ。
ほんとはもっと右から撮影したかったのだが、営業のカメラマンが陣地を造ってやがんの。
ずりぃ。

実際に一周してみたよくわかる動画はこちら
                

拡大します
Skytree_13

上の写真でも写っている特徴的なX型の橋が気に入って、天望デッキから再度撮影してみた。
総工費28億円も投じて隅田川に掛けた、人専用の橋「桜橋」だ。
きれいだね。
(手前は首都高速向島線)
その名の通り土手の両側は桜並木で、花見の頃はさぞ賑わうんだろうね。

スカイツリーに登ったぜい(1)はこちら
スカイツリーに登ったぜい(3)はこちら

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スカイツリーに登ったぜい、ワイルドだろ

あれはまだスカイツリーが半分くらいの頃だった。
ちょうど東京タワーの333mと同じ高さになったとき。
あれからもう1年以上経ったんだねえ。

拡大します
Skytree_01

とうとう634mが完成した。
ご立派になられたこと。
あの頃は建設途中でこんな近くには寄れなかったっけ。


Skytree_02

そんなスカイツリーに登ったんだぜい。
霞んでしまって富士山はおろか、東京タワーも良く見えないのにだぜい。
ワイルドだろう。


Skytree_03

あのゲートブリッジも霞んでた。
(これ、ほんとにゲートブリッジだろうな)


Skytree_04

でも、幸い真下は良く見えるんだ。
これはすぐお隣にできた「イーストタワー」というやつ。
ずいぶん低いけれど、これで158mもあるんだって。
東京タワーの展望台ならこの高さということ。
左は東武線の線路。
右に流れるのは逆さスカイツリーが見られる北十間川ね。

スカイツリーに登ったぜい(2)はこちら
スカイツリーに登ったぜい(3)はこちら
東京タワーになった?スカイツリーはこちら

【追記】
今日なら完全に雨。
それに比べれば幸いでした。

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桂川・水路の旅(12)

【家中川小水力市民発電所・谷村発電所】

桂川・水路の旅(11)から続く。

谷村発電所へと行く前に、寄り道して都留市内の水路を見てみよう。
これらの水路は東電のものではないが、原発に代わるクリーンエネルギーが求められるいま、注目すべきユニークなものがあるのだ。


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ご存じ、二宮金次郎像。
都留市立谷村第一小学校の校庭に建っている。
実はこの金次郎さんの下にも水路が流れているんだね。


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これが市内の住宅の下を通り抜けてきた水が集まるところ。
その名も「家中川」だ。
都留にはたくさんの水路が巡らされていて、それらが一番低い家中川となり、桂川に向けて流れていく。
年中これだけの水量があるのだから魅力的。
それにしても、この一角だけ見るとなんかヨーロッパの街角のようじゃない?


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そしてその水流を活かすため、こうしたミニ発電所が市内に設けられている。
正式名を『家中川小水力市民発電所』
現在3基が稼働されていて、左からそれぞれ『元気くん1号』『元気くん2号』『元気くん3号』になる。
発生した電力は市役所など公共施設の電気に使われているそうだ。
・『元気くん1号』の動画はこちら
・『元気くん2号』の動画はこちら
・『元気くん3号』の動画はこちら


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さて本題の東電水路に戻ろう。
元坂、そして鍛冶屋坂の水路橋を渡ってきた水路は都留市谷村町で山から顔を出す。
そして桂川水系4番目になる谷村(やむら)発電所。
勝山城の近くになる。
谷村発電所の標高、約460m。
山中湖から520m下ってきた。

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1920年(大正9年)に完成した。
最大出力の点でも全8基中の4番目となる18,400KWを発電する。
谷村発電所で役目を終えた水は再び地下水路となり、中央道を潜って桂川に合流する。
次は川茂発電所だ。

--桂川・水路の旅(13)に続く--

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桂川・水路の旅(11)

【元坂水路橋、鍛冶屋坂水路橋】

桂川・水路の旅(10)から続く。

辿る東電水路は小谷沢水路橋から再び都留市街を見降ろす山の間を抜け、都留-道志道の近くで地表に姿を現す。
この辺りは市の誘致計画もあって、大きな工場が集まったところ。
その一つであるコニカミノルタKonika_minolta_logo_sの近代工場の裏から山に分け入った。
雪でぬかった細い山道を歩き、やがて左に曲がると突然目の前にみごとな橋が現れた。

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シングル・アーチ石造りの『谷村発電所・元坂水路橋』だ。
訪ねたのは雪の季節だったが、そうでないとしても、下に水の流れはない。
なぜならここは川だから橋が架けられたのではなく、下にあるのは道だからだ。
今は新しい道路が出来たのでもう通る人はないが、この小径は元々都留市内と道志みちとを繋ぐ山越えの生活道路だった。
そのさらに上を越えるため、この立派な水路橋を造ったんだね。


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アーチを潜って裏側に抜けると脇に上に登る階段が見つかった。
もちろん登ってみる。


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残念ながら、ここも小谷沢水路橋と同様、上部まで石造りの蓋で覆われていた。

それにしてこんな山の中に、お金掛けてるなあ。
とはいえ、建設したのはいまの東京電力ではない。
1917年(大正6年)に「桂川電力」という会社が建設した。
その後1922年(大正11年)に「東京電燈」所有となり、さらに現在の東京電力になったのは昭和になってからのことだ。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

いったん元坂水路橋から県道24号線へ下り、更に桂川と並行して大月方面へと向かう。
新しく出来た都留バイパスとが交差する鍛冶屋坂という所にやって来た。
(上の元坂水路橋と探訪の季節は異なります)


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県道はそのままトンネルで尾根を貫くが、その脇から急な坂を登っていく。
左に立つ先の赤いポールが、ここが東京電力の敷地であることを主張しているね。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
登り詰めるとみごとな石造りの橋が見えてくる。


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『谷村発電所・鍛冶屋坂水路橋』だ。
同じく石造りだが、こちらは2連アーチになっている。
やはり大正6年の完成とみられる。
レンガ造りでないのは惜しいけど、これはこれでなかなか貫禄のある水路橋ではないか。


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水路橋の上部まで登って撮影。
残念ながらここも上部は石積みで覆われていて、水の流れを見ることはできない。
それでも風雪を経て草に覆われ、これはこれでなかなかの趣をみせている。

なお鍛冶屋坂というのは『1193年(建久4年)、源頼朝が富士へ巻狩りに訪れた際に地元の鍛冶屋・某が鏃(矢尻)を献上したところ、たいそう褒め与えられこの姓を賜ったところから名付けられたもの』と伝えられている。
鍛冶屋だから、鍛冶屋の姓?
なんか、そのまんまだけど。

ここの標高、約530m。
山中湖から450m下ってきた。

--桂川・水路の旅(12)に続く--

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人形のお供えお断りの神社

都留市にある田原の滝を再訪した。

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前回と違い、周囲は緑に覆われていい感じになっている。
現在連載中の『桂川・水路の旅』でいえば、(9)(10)の間になる。


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あの松尾芭蕉さんも相変わらず、お元気だった。


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でも今回の目的は滝でもなく、芭蕉さんでもなく、その背後にある神社。
『田原神社』といい、御祭神は応神天皇という由緒あるものだ。


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でもこの看板、変わってない?
「人形やぬいぐるみを供えることはご遠慮下さい」

実はこれには逸話がある。
なんでもある人が人形をお供えして帰宅したところ、自分より早くその人形が家に戻っていたというのだ。
この噂が広まり、以来試しに人形を置いていく人が増大。
それで困った神社が人形のお供えを禁じたんだって。
ふむ、ドールでね。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

人形OKの神社はこちら

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油断禁物? 東電の新電気料金プラン

家庭用の電気料金値上げを狙っている東電が、新しい家庭向け電気料金プランを発表した。

それによると、7~9月の午後1~4時の料金を2倍にする一方で、深夜・早朝の単価を半額程度に抑えてくれるというもの。
ま、ピーク時の電力使用量を減らしたいんだろうけれど、これって巧みなインチキだよね。

だって、例えば普通の料金を100円としたら、昼間は倍の200円になる。
一方、深夜は半額になるので50円だ。
2倍と半額ならバランスが取れそうにみえるけど、100円上がって50円下げるなら差し引きすると実際には150円への値上げじゃないか。

Ele_meterおまけにこれをやるには電力メーターの交換が必要だって。
交換にお金は取られないものの、その経費は結局全体の電気料金だ。
さらにそのメーターと工事はまた東電の子会社であるあの東光電気がやることになる。
その東光電気に天下りするのが、この間テレビで物腰柔らかく値上げを訴えていた東電の常務だってさ。

おのおの方、油断めさるなよ!
政治家より東電のほうがずっと頭がいいんだぞ。

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桂川・水路の旅(10)

【小谷沢水路橋】

桂川・水路の旅(9)から続く。

Tsurubundai_st富士急・都留文化大学前駅。
その名の通り、大学開校に伴い2004年(平成16年)に出来たばかりの新しい駅。
駅前にはレストランやビデオ店などお店がたくさん。
いま沿線でも一番活気がある場所になった。
付近には女学生の姿が目立つが、それもこの学校、学生の男女比で女子のほうがずっと多いということを聞けば納得。
しかしそんな黄色い嬌声から離れ、男はひとり大学から離れた山の中まで登ってきた。

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山深い都留市総合運動公園の駐車場にクルマを止め、隣の草地の中に分け入る。
以前、夏場に探索したときは雑草が生い茂り発見することができなかったヤブの中の細い道だが、その後手入れがされたようで今回は容易に見つけることができた。
辿っていくと歳月を経た赤い鳥居が目の前に姿を現した。
水力発電所関連には付きものの、水神様を祀ったものに違いない。


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その脇をみると古ぼけた塔のようなものがあって誘惑する。
さっそく据えられた鉄の梯子を登って覗いてみたが、上部は厳重に蓋がされていて中を窺い知ることはできなかった。
後で調べたところ、水路保守のための竪坑ということだ。
この真下の地中を水路が通っているということなんだね。


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それを裏付けるように、右手に視線を向けると東電の看板が目に入った。
『谷村発電所・小谷沢水路橋』
奥にはその水路橋の上部が見えているが、苔むしたコンクリートの覆いでカバーされているのがわかる。
残念ながら、早くも水を見られないことが判明してしまった。


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脇に廻って水路橋の全体を確認。
1920年(大正9年)の完成といわれ、コンクリートで仕上げた石造りのようだ。
両側も上品な壇々に仕上げられているが、肝心の中央部は一条の水の流れもみられない涸沢状態。
下に降りてみた。


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水路橋最下部はきれいなアーチに縁取られているが、それにしてもなんだこの低さは。
もちろんそれでも潜って撮影してみたけどね。

実際に潜って撮影したスリルある動画はこちら
                

ここの標高、約540m。
山中湖から440m下ってきた。

--桂川・水路の旅(11)に続く--

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桂川・水路の旅(9)

【鹿留川水路橋】

桂川・水路の旅(8)から続く。

鹿留発電所で役目を終えた水はそのあと直下を流れる桂川に接近する。

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しかし水は合流することなく再び離れ、地下水路で今度は谷村発電所に向け水路の旅を再開させる。

訝しげにこちらに視線をやるネコちゃんが道路脇にいたので、次の水路を尋ねてみた。
知らニャー」とのことだった。
だよね。
ここの標高、約570m。
ネコちゃんの目線はそのさらに15センチほど上になる。


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やがて見つけた里の水路は、これまでの山中とは異なり安全対策のため上部が金網のフェンスで厳重に覆われるようになった。
緑のカラーリングが印象的。
(中を水が流れているのが見えるかな)
残念ながらこれから先、水路の水はほとんどこのフェンス越しに向かい合うことになる。


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水路はすぐに桂川の支流の一つである鹿留川を渡る。
その手前、小さな滝とそれには不釣り合いな大きな滝壺がまるでポットホールのように渦を巻いている。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
ごうごうと左へ流れているのが鹿留川で、それを貫禄あるアーチ橋で渡っているのが東電の水路。


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正式名を『谷村発電所・鹿留川水路橋』、発電所と同じ大正9年の完成と伝えられる。
2連になった橋は切り石による石造り欠円アーチという型式のもの。
谷村発電所が操業を開始したときから使われていて、日本の近代土木遺産2800選にも登録されている価値ある橋だ。


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これは反対の下流側から見たところ。
こちらはほぼ北向きになるので陽が当たらず、苔むした感じが逆にいい雰囲気を醸し出している。
橋の標高、約550m。
山中湖から430m下ってきた。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

鹿留川はこのあと蒼竜峡という「峡谷」を経て桂川に合流する。

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これはその蒼竜峡脇の団地の駐車場から撮影したもの。
こんな秘境のような激流が子供の遊ぶ団地のすぐ裏にあるのだ。
信じられる?
山梨は凄いところなのである。

--桂川・水路の旅(10)に続く--

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