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桂川・水路の旅(9)

【鹿留川水路橋】

桂川・水路の旅(8)から続く。

鹿留発電所で役目を終えた水はそのあと直下を流れる桂川に接近する。

Shishidome_05
しかし水は合流することなく再び離れ、地下水路で今度は谷村発電所に向け水路の旅を再開させる。

訝しげにこちらに視線をやるネコちゃんが道路脇にいたので、次の水路を尋ねてみた。
知らニャー」とのことだった。
だよね。
ここの標高、約570m。
ネコちゃんの目線はそのさらに15センチほど上になる。


Shishidome_11

やがて見つけた里の水路は、これまでの山中とは異なり安全対策のため上部が金網のフェンスで厳重に覆われるようになった。
緑のカラーリングが印象的。
(中を水が流れているのが見えるかな)
残念ながらこれから先、水路の水はほとんどこのフェンス越しに向かい合うことになる。


Shishidome_12

水路はすぐに桂川の支流の一つである鹿留川を渡る。
その手前、小さな滝とそれには不釣り合いな大きな滝壺がまるでポットホールのように渦を巻いている。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
ごうごうと左へ流れているのが鹿留川で、それを貫禄あるアーチ橋で渡っているのが東電の水路。


Shishidome_13

正式名を『谷村発電所・鹿留川水路橋』、発電所と同じ大正9年の完成と伝えられる。
2連になった橋は切り石による石造り欠円アーチという型式のもの。
谷村発電所が操業を開始したときから使われていて、日本の近代土木遺産2800選にも登録されている価値ある橋だ。


Shishidome_14

これは反対の下流側から見たところ。
こちらはほぼ北向きになるので陽が当たらず、苔むした感じが逆にいい雰囲気を醸し出している。
橋の標高、約550m。
山中湖から430m下ってきた。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

鹿留川はこのあと蒼竜峡という「峡谷」を経て桂川に合流する。

Suiro_24

これはその蒼竜峡脇の団地の駐車場から撮影したもの。
こんな秘境のような激流が子供の遊ぶ団地のすぐ裏にあるのだ。
信じられる?
山梨は凄いところなのである。

--桂川・水路の旅(10)に続く--

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