桂川・水路の旅(19)
【猿橋公園、そして桂川】
桂川・水路の旅(18)から続く。
18のネコちゃんは知らなかった水の行方だが、観音さまが見守っていた。
33体の観音さまは桂川を挟んだ河岸段丘の妙見山に安置されている。
古びた観音さまたちは戦国時代からという由緒あるものだが、中央道の工事により再三移転を強いられ、結局現在の高台に落ち着いたそうだ。
背後はその中央道を行き交うクルマの騒音で喧しいが、観音さまの視線の先には水路の取水口が見えている。
そしていったん地下に姿を消した水が再び顔を出した所は意外と近かった。
大月市立猿橋公園へと降りる坂の途中、崖の下にいつもの水路を覆うグリーンのフェンスが見えたのだ。
アーチが歪んだように見えるのは、あなたの目が眼精疲労を起こしているから……
ではなく、訳あってアーチの径が巧みに変更されているからだ。
近寄って覗いてみると、大きくなったフェンスの中には整流のためらしい幅広い水門の列が隠されていた。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
そして水は再び一本に集められて暗渠へと入っていく。
突然だが、いま桂川の川岸に立っている。
はるか上に見える橋は国道20号線(甲州街道)の新猿橋。
写真なら簡単だけれど、ヤブを掻き分け国道からここまで降りるのは容易ではない。
(日本土木学会図書館蔵)
上の写真のトラス鉄橋は旧中央線のもので現在はもう路線変更がされて存在しないが、その下のアーチ橋こそ東電の水が初めて桂川を渡る水路橋。
国指定の重要文化財になっている。
水路が桂川と交錯するのは後にも先にもこの1か所だけの筈だ。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
--桂川・水路の旅(20)に続く--
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