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桂川・水路の旅(16)

【駒橋発電所・上部水槽】

桂川・水路の旅(15)から続く。

沢井で二つの水路橋を渡った水は再び山の中に突入し、長い旅の末にやがて大月盆地を見降ろす山の上に達する。
この間に本流の桂川とは80m近い落差を稼ぎ出している。

Komahashi_11

大月バイパスから外れ、地図を見ながら狭い山道を登り詰めるとその水路に当たった。
右下に見える水路は自然の流れのためのもの。
肝心の水路はしかしまだ蓋の付いた暗渠のままだ。
左手の舗装道路のような部分の下がその水路になっている。


Komahashi_17

暗渠に沿って実に1キロほども歩くと、やっと水流が顔を覗かせた。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
この辺り、傾斜が緩やかなので流れも至極穏やかで音もまったく聞こえてこない。
突き当たりの小さな尾根は、水路もトンネル、左下の巡視路もトンネルで抜ける。


Komahashi_13

これが巡視路のトンネルを潜り抜けたところ。
縁の部分は落ち着いた色のレンガで縁取られ、いい味を出している。
ただの通路だというのに、明治の仕事はこういうところがお洒落。
(完成は明治40年)


Komahashi_14

そして現れた駒橋発電所の上部水槽。
ここからこの満々と蓄えられた大量の水が急角度の水管で下の発電所に落とされるんだね。
巨大なウォータスライダーという訳だ。
(マウスを置くと反対側から見上げた画像に切り替わります)
ここの標高約400m。
山中湖から580m下ってきた。


Komahashi_15

水槽の一角にはこんな秘密の地下室入口みたいなものがある。
もちろん実際はそうではなく、水槽の水が増した時の余水(オーバーフロー)口。
ただ、ここの余水路は鹿留発電所のような直線型のものではなく、段々に作られている珍しいもの。
これも明治職人の「粋」というものなのか。
(マウスを置くと画像が切り替わります)

現場を歩いたよくわかる動画はこちら
                

--桂川・水路の旅(17)に続く

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