桂川・水路の旅(15)
【駒橋発電所・沢井2号水路橋】
桂川・水路の旅(14)から続く。
1号水路橋から水路に沿って下っていく。
途中には水路のさらに上部を細い通路が横切っているのだが、それを潜る巡視路までがレンガ造りのアーチでできている。
明治の仕事はみごとなものだ。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
水路は開渠と暗渠(蓋付き)を繰り返しながら続く。
さらに歩き続けると、やがて脇に下に降りる階段が現れた。
再び水路橋だ。
傍らに立てられた標板によれば、『沢井2号水路橋』とある。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
さっそく降りてみよう。
1号と同じくやはり1907年(明治40年)の竣工とみられるレンガ造りのこちらは3連橋。
アーチの基部にはまた横向きに角度を変えた小さなアーチが。
一つ目のは半ば土砂に埋まっているものの健在だったが、他方は強度のためなんだろうか、コンクリートで完全に塞がれていた。
素敵なデザインなのに惜しい。
これはアーチを潜った反対側から。
このイギリス積みレンガ造りの圧倒的な存在感。
下を流れる沢なんて水が増したとしてもヒョイと飛び越えられるほどのものなのに、お水さまはこんな見事な建造物で渡っていく。
東京電力(当時の東京電燈)の仕事はやはりすごかった。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
↓
--桂川・水路の旅(16)に続く--
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コメント
おはようございます
いつもながら実に丁寧で詳細なリポートですね、感心させられます。
水道橋って、ヨーロッパ独自の文化くらいに思っていましたが、水道橋とは言えないまでも、日本にも似たような建造物があったんですね。もちろん、ヨーロッパの技術を導入して、であったとしても嬉しいです。
イタリアなどでは世界遺産になってるのに日本では風化しそうになっていて残念ですね。
ちゃんと手入れしていれば、今も美しいままの建造物だったんでしょう・・・。
投稿: poohpapa | 2012.06.15 07:31
poohpapa さん
おはようございます。
昔の技術者は100年先を見据えたいい仕事をしていたんですよね。
こうした水路橋、以前から目にしてはいたんですが、原発事故ですっかり東電が渦中の企業になってしまっているもので、まとめて記録しておく気になりました。
現在の東電の人もこうした先人の気概をいま一度思い起こして欲しい。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2012.06.15 08:04