支那囲壁砲台(習志野)
ここは千葉県習志野市。
その昔、『一望千里』と呼ばれた習志野原は、陸軍にとって重要な演習地だった。
今はすっかり住宅が増えたが、それでもまだ農地があちこちに散在している。
ここもその一つ、よくある普通の農家のように見える。
農機具が収めてあるらしい小屋と、隣接した二階建てほどの頑丈な造りの建物。
しかし、この窓……
何か、変わってないか。
内側が小さくてそこから外部に向かって広がった形状。
この形、見覚えがあるね。
豊橋や諸磯崎で見たのと同じ、そう狙撃口だ。
実はここ『支那囲壁砲台(しないへきほうだい)』といって、太平洋戦争の際、演習用に中国の家屋を模して作られた砲台が現存しているものなのだ。
砲台といっても、中から銃を撃つのが目的のものなのではなく、中国軍が作った壁で囲まれた軍事施設を外から攻略するための訓練場だった。
習志野市のホームページには当時の絵葉書写真が掲載されている。
本来は高い塀に囲まれていて、現存するのはその一角であることがわかる。
戦後、この土地を囲壁砲台跡ごと農地として払い下げた受けた方が、改築して現在も使用しているのだそうだ。
2002年、国の登録有形文化財に指定された。
【戦争遺構】
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