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木更津のタコツリ(後編)

前編から続く。

この『タコツリ』は、一般には『道切り』と呼ばれる風習で、地区によって『辻切り』と言う所もあるそうだ。
道切りは、村や部落の出入り口にあたる道や辻で行われる民俗習慣のひとつ。
村の境に注連縄を張り、村に悪霊や悪いモノが入って来ないようにするもので、簡単に言えば『災い、来るな!』というのが目的だという。

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これは藁で編んだ人形だが、わざと下手に、そして粗末に作るのだとか。
「この村は貧乏で、不具者ばかりですよ」という、ネガティブ・キャンペーンなのだ。
(足の長さが違う?)

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これはタコツリの由来となった蛸(タコ)。
タコは「疫病を吸い尽くす」という意味だそうだ。


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こちには烏賊(イカ)で、10本の足で「厄を払いのける」という意味。


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賽子(サイコロ)は言うまでもなく賭博の象徴で、「この村はみんな博打に明け暮れているロクでもない所ですよ」というメッセージ。

他にも、ここにはないが「酒樽」は「ここは働きもせずみんな酒浸り」という意味だし、「杉の葉」を吊す所では「もう過ぎた、手遅れだ」という意味が込められているんだそうだ。
とにかく徹底したマイナス思考。
面白いね。

ちなみに飾るのはだいたいどこでもお正月ということになっているが、取り外す時期は決まっていないらしい。
風で自然に飛ばされたら、それで終わりなんだとか。
自然に任せる……
それもまた由。

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