伊豆の港の「もやい石」
畳石からほど近く。
伊豆稲取の港に「もやい石」がある。
この3つ並べられているのがそれ。
江戸城の石垣に使われた畳石と違い、こちらは丸っぽい自然石。
それぞれに丸い穴が穿たれている。
この大きな穴は綱を結ぶためのもので、この石を海に沈めて船の係留に使ったもの。
だから「もやい石」という。
「もやい」とはロープの基本的な結び方の一つで、登山でも必須のものだね。
稲取は天然の漁港として古くから漁業で栄えると共に江戸に繋がる海路の拠点になっていた。
しかし東に開いた入江のため、「ならい」(北東)という風が吹くと港はたいそう荒れたそうだ。
小さな船は陸上に避難させられたが、大きな船はそうもいかないので綱を使ってこうしたもやい石で係留したんだね。
こういうのを「マグロ船のツナ渡り」と言う?
折りしも今日は参院選挙告示日。
君にはこの穴を通して日本の未来が見えるだろうか。
僕には…… ベンチが見える。
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コメント
安房節に
「は~伊豆は~稲取、房州じゃ布良よ。粋な船頭衆のよ
出るところ。」
と言う節がありますが、稲取と布良はマグロ漁の拠点だったのですね。
布良の港は波を避ける為に、巾着型に堤防が造られています。
それにしても、これを海中から引き上げたのでしょうか?
投稿: いはち | 2013.07.05 12:37
いはちさん
ありがとうございます。
房総の唄の文句にも伊豆稲取が出てくるんですか。
興味深いですね。
もやい石は何回も場所を換えた挙げ句、結局は引き揚げられたようです。
いくら水中は軽くなるとはいえ、引き揚げるのはタイヘンだったでしょうね。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2013.07.05 14:45