官鉄時代のアーチ橋(龍洞院架道橋)
千曲市の龍洞院は1504年(文亀4年)に建立された曹洞宗大源派の禅寺だ。
紅葉と美しい庭園で知られる名刹。
境内は広く、見事な鐘楼など遠目にも時代の重みが感じられそう。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
しかしJRがまだ旧官鉄だった時代、ここに篠ノ井線が敷設された。
その折り、お寺の目の前に線路が施設されたため、参道が分断され境内と集落とが切り離されてしまったのだ。
このため旧官鉄は線路の下の参道を維持するため、カルバート(径の短い溝渠)を造った。
それがこの1900年(明治33年)に完成した『龍洞院架道橋』
橋長7.4m,スパン3m規模の煉瓦造単アーチ橋。
赤煉瓦や焼煉瓦、石組みを使い分け、外観に変化をつけた美しい装丁になっている。
年代が近いせいか、中央本線のこんなトンネルに近い造りなんだな。
こちらは反対側(集落側)。
一時は荒れて通行禁止になっていたそうだが、今は補強されきれいに整備されている。
2006年(平成18年)、国の登録有形文化財に指定された。
なお、所有者は龍洞院ではなく、JR東日本になる。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
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コメント
こんにちは。
毎日アップを楽しみにしております。
立派なトンネルですね。
この上に篠ノ井線が現在も走っているのでしょうか?
でも境内と集落を分断するように線路を敷くなんて・・
さすが省線ですね。
トンネルが出来る前は線路を歩いて渡って参拝したのでしょうかね。
投稿: いはち | 2013.07.30 10:13
いはちさん
おはようございます。
もちろん現在もこのアーチ橋の上を電車は走っていますよ。
>トンネルが出来る前は線路を歩いて渡って参拝したのでしょうかね。
鉄道敷設と同時に架道橋は造られた筈ですので、線路を渡ったことはないと思います。
ただ、今は迂回する自動車道がちゃんとあるのでもうあまり必要性はないような。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2013.07.30 10:38