明治の香り・屋代小学校旧本館
千曲市北部の屋代町というところにやって来た。
鉄道なら「長野新幹線」や「しなの鉄道」、道路なら「長野自動車道」や「上信越自動車道」が集まる交通の要所でもある。
そんな昔からの街中の一角に、ひときわ人目を惹く空色の建物。
1888年(明治21年)に建てられたという擬洋風学校建築だ。
木造2階建て、入母屋、桟瓦葺き、下見板張りの建物で縦長の上げ下げ窓の採用など当時としては最高にモダンな造りだった。
ちょうど日中に訪れたので、子供たちの嬌声が喧しい。
それもその筈、この校舎はいまも屋代小学校の敷地内に保存され、旧本館として大切に使われているのだ。
正面車寄せもこの風格。
網代天井と呼ばれる天井周囲の軒下にはバージボードと呼ばれる歯型の飾りが並べられている。
細工が施された観音開きの扉にも小学校らしからぬ重々しい風格が感じられる。
4本の円柱が支える車寄せの三角屋根には彩色した花と唐草で飾られた破風(はふ)。
こうした細やかな仕上げには、和菓子にも通じる日本人の心意気が感じられるね。
仰げば 尊し~ 和菓子の 恩~♪
1978年(昭和53年)まで使われたこの貴重な校舎は、1973年(昭和48年)、千曲市の有形文化財に指定された。
・都留の旧尾県学校校舎はこちら。
・勝沼の旧山梨田中銀行はこちら。
・土浦の土浦中学校はこちら。
・山梨の旧室伏学校はこちら。
・都留の種徳館はこちら。
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コメント
綺麗な学校ですね。
何となく女学校を想像してしまいましたが、小学校だったんですね。
当時は洋風建築の手法をとり入れて大工さんが競って
このような学校を建てたのでしょう。
教育県長野だけの事はありますね。
投稿: いはち | 2013.08.05 17:08
いはちさん
ほんと、きれいな学校ですね。
でも、僕なんか悪ガキだったのでこんなきれいな学校では息が詰まりそう。
子供にとっては善し悪し?
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2013.08.06 07:10