富士川に掛かる10連の水管橋
富士川の難所釜口峡で右岸に渡った日本軽金属の発電用水 は、蒲原の工場でその役目を終えたあと河口に近い最下流部で再び左岸へと移る。
東海道新幹線が富士川を渡る時に車窓からも見えるのがこの「富士川水管橋」だ。
全長1,040mにも及ぶみごとな10連のアーチ橋は素晴らしいの一語。
釜口峡で渡った時の水管橋は100m足らずだったからずいぶんと「出世」(?)したものだ。
直径2.2mという巨大水管が2本並列になっていて最大送水能力は日量231万トン。
これは世界最高クラスの規模だそうだ。
ちなみにこの管の施工者は日本軽金属ではなく静岡県。
なぜならすでに役目を終えた日軽金の発電余水を、静岡県富士市にある製紙企業地区での地下水保全を目的として使うものだからだ。
それまでこの地区では地下水の大量汲み上げによる影響が問題になっていたそうだからまさに一石二鳥か。
こうして身延で取水され、その後人間の都合で右に左に富士川の上を越えさせられたアルプスの水は、最終的に駿河湾の一滴となってその生涯を終えていくのだった。
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コメント
なるほど、ハイブリッドな水の運命を辿る訳ですね。
新幹線の車窓から見える橋は水の橋だったのですか~
確かに美しいです。
投稿: いはち | 2013.11.12 15:10
いはちさんは実際に新幹線の車窓から橋を見たことがあるんですね。
僕はないです。
ハシっこにいないと見えないのかな。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2013.11.12 15:33