「日本一短い?」と控え目に主張するトンネル
SL機関車で人気の大井川鐵道は茶畑の中を走る。
さらに北上すれば、あの歩いていけない秘境・尾盛駅へも通じる路線だね。
なお、「鐵道」の字が旧字なのは「鉄は金を失うと書き、縁起が悪い」という、会社のポリシーからだ。
地名(じな)という無人駅を過ぎると、広がったその茶畑の中に変った建造物が見える。
古いコンクリート製の覆いのようなものが線路に被さっているように見える。
しかも形がいびつ。
これは以前、線路上をまたいでいた「川根電気索道」という貨物ロ-プウェイから線路を保護するために建設されたものが、ロープウェイが廃止された後もトンネル部分だけが残ったままになっているというもの。
地名駅の案内では大井川鐵道がこれを「日本一短いトンネル?」としている訳。
「?」を付けているところがなんとも奥ゆかしい。
ちなみに正式に「日本一短い鉄道トンネル」と認定されているのは群馬県のJR吾妻線にある「樽沢トンネル」で、全長は7.2mという。
こちらは全長7mだから日本一?と控え目に主張しているのだろうけど、それは短いほうの壁で長いほうの壁は11mもあるぞ。
何より、こちらはそもそも正式な「鉄道トンネル」じゃないものな。
そのさらに奥には山を貫く普通のトンネルがみられるが、こちらのトンネルはそんな訳で屋根の上部には何もない。
だから、これは「日本一短い鉄道トンネル」ではなく、「日本一小さい鉄道トンネル風コンクリート構造物」なんだって……。
超変形の台形型。
なので角度によってはこんなに奇妙な形になる。
ちなみに「樽沢トンネル」は例の八ッ場ダムができれば消滅する危機にあるのだとか。
そしたら日本一は入れ替わって岩手県にあるJR山田線の古田トンネル(11m)になるという。
トンネル間の争いもタイヘンなんだな。
「日本一でないなら、こんな屋根もう取っちゃおか」
「なんで屋根ン?」
日本一短い道路トンネル?はこちら。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 稲又川橋が消えた(2021.12.12)
- 「波の伊八」の飯縄寺(2021.06.08)
- 巨大鳥、千葉に飛来(2021.06.04)
- 南極で地震(2021.02.05)
- 移住したい国(2021.01.25)
「遺構」カテゴリの記事
- 木造トラスが残る『旧落合橋』(2017.11.24)
- 【廃村】平清水集落(富士川町)(2017.07.12)
- 【廃橋】旧反場橋(西会津町)(2017.06.06)
- 【廃校】屋敷小学校(西会津町)(2017.05.22)
- 【遺構】奥川森林鉄道跡を歩く(後編)(2017.05.19)
「トンネル」カテゴリの記事
- ナマズのクシャミ(2023.05.11)
- 180度ターンのスノーシェルター(西会津町)(2017.05.13)
- 濃溝の滝(亀岩の洞窟)見てきた(2017.02.24)
- 『日本一』が無くなってた(2017.02.18)
- 【廃道】橋の下に隠れた旧県道(早川町)(2016.12.05)
「鉄道」カテゴリの記事
- ヤギの恩返し(2022.07.11)
- 蒲蒲線で GO!(2022.06.08)
- ワ●ベさんに叱られる(2022.03.03)
- 『一千万円の踊り子号』売れた!(2021.04.21)
- 強風一過(2021.03.03)
コメント
早速グーグルで探してみました。
実は家山辺りで道に迷って、地名駅手前で大井川鉄道と
一緒に走る道に合流したことに気づきました。
すぐ近くにこんな建物があったんですね。
見ておけば良かったです。
でも、トンネルの定義っていうのが有るのでしょうか?
たぶん、有るのでしょうね。勝手に短いのを
造られても困るから。
投稿: いはち | 2013.12.06 10:09
いはちさん
「トンネル」って、「土中を通る人工の、または自然に形成された土木構造物」だそうですから、これはやはりトンネルには入らないような。
だって、ただの「覆い」ですものね。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2013.12.06 11:07