峰之沢鉱山探索(1)天竜川
峰之沢鉱山は静岡県磐田郡龍山村(現在の浜松市天竜区)にあった日本鉱業の鉱山。
例によって武田金山の名残りともされるが、銅を多く産出していたという。
天竜川を望むこんな険しい産地の鉱山に、一時は最大700人もの人が働いていたというのだから驚きだ。
一帯には鉱山施設だけでなく診療所や娯楽施設まであったというが、1969年(昭和44年)に鉱山自体が閉山となった。
これはその峰之沢鉱山があった斜面を対岸から見たところ。
直下の川岸には今でも船に積み込むためのコンクリート製施設のあるのが見える。
山から削りだした鉱石は天竜川の水面まで下ろされた後、ここから鉱石船により河口まで運ばれたらしい。
最盛期には数十艘もの鉱石船が水面を行き交ったという。
もちろん秋葉ダムや船明ダムが出来る前の話になる。
NPO法人「天竜川・杣人の会」提供
また鉱山は山の上だったので、斜面には巨大なインクライン(斜面用ケーブルカー)が設けられた。
これはインクラインの様子を伝える当時の絵葉書の写真。
そのスケールの大きさに驚かされるし、奥にもう一本あるのもわかる。
緑の中にうっすらとライン(赤線部分)が見えるが、これがかつてのインクライン軌道の名残なのだという。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
今でもまだその痕跡があるだろうか。
対岸に渡ってみる。
目の前の吊り橋はクルマが通れないので上流の「瀬尻橋」を渡って行く。
その際目に入るのが、半ば水没したこの吊り橋の主塔。
初代「瀬尻橋」のものだそうだ。
これは鉱山と直接関係はないが、こうした「廃物件」を見つけるとイヤでも気分は盛り上がるぞ。
峰之沢鉱山探索(2)山のホッパーに続く。
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