稲取の「はさみ石」(後編)
稲取の「はさみ石」(前編)から続く。
やっとたどり着いた、これが「はさみ石」全景。
今から約20万年前頃まで活動していた天城火山の溶岩流と波による浸食地形がこんな奇岩を造り出したんだそうだ。
比べるものがないのでわかりにくいけれど、石の高さ10m、周囲20mとかなりの大きさ。
クルージングもいいけれど、注連縄(しめなわ)がこちら側に向いているのだから、やっぱり陸側から見ないと、ねえ。
挟まれている石だけで2mもの長さがある。
稲取で語り継がれる昔話によれば、この辺りの海岸はサザエやアワビの宝庫であったため、稲取と白田とで漁場をめぐる争いが絶えなかったんだそうだ。
その争いを見かねた天城山・万二郎岳の天狗と万三郎岳の天狗とが一計を思いつき、大岩を運んでその間に石を挟んで境界として争いをおさめたという伝承が残っている。
なんか、岩殿山の鬼の石杖みたい。
岩の上部にはみごとな枝振りの松の木が2本。
「その名伝える石神に 鳥が運んだ松の実一つ」
と唄にも詠まれた松の木だけれど、実は樅(もみ)か栂(つが)じゃないか、という説も。
誰か、登って確かめてみて。
振り返ると背後には高い崖。
水路の上部には先ほど見たのと同様、旧国道のガードレールが見える。
こちら側から見ればちゃんとした道路があるように感じるけどね。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
ちなみにこれは稲取にある「蓮行寺」の住職・自宅の裏庭にある「はさみ石」
なんでも出入りの庭師の人が酒落で作ったものだとか。
挟まれた石の感じがちょっと違うけど、雰囲気はよく出ているよね。
(特別に見せていただきました m(_._)m)
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
↓
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コメント
はさみ石のルポ、ありがとうございます。近くなので行ってみたいですが、往復かなり危険そうですね。
投稿: せいざん | 2014.01.24 14:40
せいざんさん
途中の下降ルートを整備しようという話もあったようですが、なんせ国道からの道にあの廃病棟があっては。
今さら解体するにも接続道路はないし……
いい解決策は見当たらなさそうですね。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.01.24 15:14
動画を見て私も行ってみたくなりました。
ちょっと怖いけど・・
10メートルですか~かなり大きな岩(石)ですね。
投稿: いはち | 2014.01.24 16:46
いはちさん
はい、かなり大きい岩ですからこんなとこ登って注連縄飾るのは怖そう。
簡単に見られない、というのも魅力でありますね。
でも、いはちさんが行かれるなら、廃隔離病棟のほうをお薦めしますよ。
怖いぞお。(^.^;)
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.01.24 17:15