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竹ヤブに埋もれた伊豆・廃病院

ここは東伊豆稲取にある断崖トモロ岬のたもと。

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ずいぶんなヤブだけど、すぐ後は国道135号線で、ひっきりなしにクルマが爆走している。
いま、国道の脇から下に降りようとしているところ。
なんせ今回の目的の建物に通じる自動車道等はなく、このヤブを抜けて降りていくしかないのだ。
前回は6月に来てエライ目に遭ったので、これでもヤブが少ない真冬の時期を選んで来たつもりだが、竹に季節はあまり関係ないようだ。


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やがて見えてきた、これが目的の建物である「旧稲取町隔離病舎」。(現東伊豆町)
東伊豆町はその名の通り伊豆東部に位置、1959年(昭和34年)に稲取町と城東村とが合併して発足してできた。
この病院はその前年に当時の稲取町がトモロ岬の南端に開設したものだが、翌年の合併に伴い東伊豆町の運営となった。


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建物は大きく分けて3棟になっていて、いずれも竹林の斜面に建築されている。
隔離病舎というとなんか怖い感じがするが、ここは結核患者を主要とした初期の感染症患者療養のためのもので、重篤な患者については他に収容されたという。


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しかし1978年(昭和53年)伊豆大島近海地震がこの一帯を襲い、病舎に接続していた国道135号線の道路がズタズタに分断。
そうしたこともあって震災からほどなくの1982年(昭和57年)に運営を終了、建物は放棄された。
現在クルマが通れるような接続道路はなく、解体作業も行われていない。
屋根こそまだ残るが建物はこのようにひどく損傷、朽ちるまま文字通りの廃墟となって不気味なオーラを放ち続けている。


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傾斜地にある3つの建物はそれぞれを2本の渡り廊下で繋いでいたが、現状はこの有り様。この状態ではもう内部を通ることもままならない。


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一番大きな病棟の廊下を見通したところ。
黒く見える柱は高価な黒檀……
なんかである筈はもちろんなく、知らずに顔を出したまま大きく成長してしまった竹の柱の成れの果てだ。
ちなみに6月の訪問時、竹の子たちはこのようにあちこちで顔を出していた。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


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診察室だったと思しき部屋には机や文書棚が散らばる。
床には病院らしく消毒用の洗面器が顔をみせている。
ここにも竹が我が物顔で君臨していた。


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いくつもある病室の一つ。
鉄製のベッドは藁(わら)が剥き出しになったまま。
昔はベッドばかりかソファーや椅子などにも藁が使われていたんだね。
最近はあまり見ないけれど、国会議事堂で使われている椅子なんかは今でも中身が藁なんだってね。
ふむ。政治家なんて、みんな病人みたいなものということか。


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これはレンガ造りの釜戸がちょっぴり素敵な北側の炊事部屋。
照明を当てているので明るく見えるけれど、実際は部屋はとても薄暗い。
陽が当たる南向きの部屋へは患者を優先させようという、病院らしいせめてもの配慮だったのだろうか。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

次は断崖を降り、奇勝「はさみ石」を見に行く。

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コメント

隔離病舎と聞いただけで身震いがします。
私はこの病院関係の廃屋がちょっと苦手でして・・
と言うのも、私の住んでいた所の山を一つ越えた所に
結核患者を隔離する病舎が有ったんです。
小学校の頃知らずに山遊びをしていて辿り着いてしまいました。
もちろん、その頃はすでに使用されていなかったのですが。
子供の頃のトラウマみたいな感じでしょうかね。
動画を見たら、手に取るように病院の造りや細かい部分
がわかりました。
私には行けません。

投稿: いはち | 2014.01.21 13:06

いはちさん

実際はとても暗いんです。
前回訪問した時は、撮った写真がみんなブレていて……
それで再訪は止むを得ないことでした。
今回はすべて照明を当てながらの撮影です。

確かに隔離病舎なんて言うと、不気味ではありますね。
ましてや、たった一人では。
実は、撮影中に突然背後から……
長い竹が襲ってきたのです。

すげえ、タケーの。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.01.21 13:47

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