稲取の「はさみ石」(前編)
ちょっぴり怖かった廃病院を出て、急傾斜の道を海へと下る。
すぐに相模湾を見下ろす断崖へと突き当たった。
草むらの中に、赤茶に錆びたガードレールが顔を見せている。
この状況からは信じられないが、ここはかつて国道だったのだ。
しかし1978年(昭和53年)、伊豆一帯を襲った「伊豆大島近海地震」が国道を粉砕した。
修復が断念された国道は放棄され、より山側に新しい今の国道135号線が拓かれている。
国道跡からは急な傾斜を海岸へと降りていくのだが、そこには先人による太い「お助けロープ」が設置されていた。
ラッキー! これでひと安心……
と、思うな。
よく見れば、ロープを絡げた鉄製のカラビナは潮風ですっかり腐食しているではないか。
こんなことなら自前のを持ってくれば良かったが、今日もクルマははるか上で留守番役を務めている。
カラビナよ、なんとか今日一日はもってくれ~。
途中で振り返れば、波打ち際に目的の「はさみ石」が遠望された。
右に続く断崖が「トモロ岬」(黒根岬)で、突端の岩は「神楽岩」という。
ここらはメジナとブダイの宝庫で、釣り人の人気ポイントだそうだ。
やっと海岸まで降りるとこの丸い岩が並び、歩きにくいことこの上ない。
この丸い岩は「ゴロタ石」と呼ばれるもので、普通はもっと小さいのだがここのはでかい。
こんな所で捻挫でもしようものなら、崖の上まで戻れないよ。
(だから単独行はやめろい)
降りてきた崖を振り返る。
下から見ると易しそうなルートに見えるんだけど、実際はかなり険しい。
なお「はさみ石探訪」について、「陸ルート」は危険なので地元の東伊豆観光協会では観光船による「海ルート」がお薦めとしている。
お一人さま1,575円とすこぶるリーズナブルですのでどうぞ。
稲取の「はさみ石」(後編)に続く。
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コメント
このロープだけで下まで降りていったのですか?
ちょっと怖くて、私はやはり海からのルートを
選んでしまいそうです。
静かで良い場所の様ですね。
投稿: いはち | 2014.01.23 09:20
いはちさん
海ルートは楽ちんですが、それだと上陸はできないんですよね。
やっぱり自分の足でたどり着きたいし。
>静かで良い場所の様ですね。
静かはいいんですが、海の物件は潮の満ち引きがあるので怖いです。
いつの間にか、水位が上がってきたりしますから。
(潮位は調べますけどね)
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.01.23 09:32