持越鉱山(1)【ジャンダルム】
湯ヶ島【金山沢】から続く。
湯ヶ島鉱山と同じく、中外鉱業が採掘していたのが「持越鉱山」だ。
同じ中伊豆に位置し、湯ヶ島から県道59号線をさらに西進した所にある。
ここ持越で金鉱が発見されたのは、1914年(大正3年)のこと。
昭和になって持越金山会社が設立され本格操業が開始され、昭和初期の最盛期には3千人もの人がこの山で採掘に従事していたという。
しかし鉱脈が枯れてリサイクル事業に転換した今、日中でもほとんど作業する音は響いてこない。
工場の出入り口はすべて閉ざされているので周囲に沿ってずっと上部までやってきた。
するとそこに古びた手水鉢が目に入った。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
鳥居こそ見当たらないが、神社があるようだ。
荒れた石段を登っていくと、やがて真っ直ぐな参道が現れた。
この上には神社がある筈だ。
危険な作業を強いられた鉱山に、神頼みの神社は付きものだものな。
古びた社にたどり着いたが、道はそこで行き止まり。
どこかに抜けられないか、周囲の林を探索する。
ヤブを無理矢理抜けてみたら、コンクリートで舗装された道路に出くわした。
場所柄、これは鉱山由来のものに違いない。
右は下りだから、また元の県道に戻ってしまうだろう。
ここは当然、左だ。
さらに上る。
突き当たりには、鉄骨の骨組みだけになった倉庫のような建物の残骸。
そしてその前にはまるでジャンダルム(前衛)のように朽ちかけた古いブルドーザーが思いがけない来訪者を威圧していた。
あとで調べたところ、30年ほど前の写真にもこの鉄骨の建物は映っていた。
当時から骨組みだけだったんだね。
周辺にあった木造の建物はすべていま朽ち果てている。
下を覗いてみれば、もうこんなに高い。
ずいぶん登ったんだな。
思えば遠くへ来たもんだ~♪
でも探索の本番はこれからだ。
このあと、素晴らしい遺構に巡り会う。
持越鉱山(2)【インクライン】に続く。
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