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湯ヶ島鉱山(後編)【天空のレール】

湯ヶ島鉱山(前編)【インクライン】から続く。

インクライン動力小屋からさらに山を登って探索したみたが、見つかるのは朽ちた電柱程度でめぼしい遺構には遭遇ならず。

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再び戻って周辺の竹林を見通すと、足元に何やら長いもの。
育った竹を縫うように鉄骨状のものが走っている。
トロッコレールだ。


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レールを辿っていくと、衝撃的な景色。
土砂崩れがあったような窪地には、レールが宙に浮いてぶら下がっているではないか。
橋脚部分が消失してしまったんだろうか。
まさに「天空のレール」?


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さらにレールを辿っていくと、再び大きな窪み。
そこにはかなり大きめの倉庫のような木造小屋が半ば朽ちながらも残されていた。


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レールの間にはすでに樹木が生長していて、トロッコが通らなくなってからの年月の重みを感じさせた。
さらに追っていくと、かなりの広さの平場に導かれた。
建物を探ってみよう。


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内部を覗いてみると、何やら巨大な動力装置。
外には大きなエアタンクのようなものがあるのでそのためのコンプレッサーらしい。
今でこそ電線が繋がっているが、なにしろキリシタン大名の大友宗麟が遣欧少年使節を送った天正(1580年前後)の頃から金を採掘していた由緒ある鉱山だ。
かつてはこうした動力の電源すらも自前の発電機で用意していたんだろう。


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さらに奥へと進むと、山裾にまた新たな坑口が見つかった。
ただ残念ながらこちらも頑丈な鉄柵で塞がれていて入ることは叶わない。


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隙間からカメラを入れて坑道内部を撮影したみた。
この支保の形状は、坑道が近年のものではない歴史を感じさせるものだった。
やはり江戸時代からあった、あの日影沢金山を思い起こさせる形ではないか。

これで湯ヶ島鉱山の探索は終わり。
次は同じ中外鉱業でももっと大きな持越鉱山に行くが、その前にちょっと。
湯ヶ島【金山沢】に寄ってみる。

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コメント

あっ 私の好きなインクライン発掘シリーズ?ですね。

いつも思うのですが、どうやってあんな大きな発電機や
動力装置をここまで運んだのか?
最後の写真にある坑道は鉄骨でしょうか?
かなり古い時代の組み方の様です。

投稿: いはち | 2014.03.04 14:29

いはちさん

坑道の支保柱は材木と鉄骨が組み合わさったように思えました。
歴史のある鉱山なので、後世になって補強したのでは。
でも、形状はいかにも古いですね。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.03.04 15:05

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