山梨県は北杜市。
大武川沿いにある大藪温泉は、あの篠沢大滝や黒戸噴水滝への玄関口に位置するところ。
かつては温泉で地元に知られたようだが、今は素敵なコテージが建ち並ぶ静かな別荘地。
大きな丸太小屋の傍らにアメ車のピックアップなんて、古き良き時代のお洒落なアメリカ映画みたい。
その別荘地を抜け、さらに奥へと足を踏み入れると、山を背に何やら扇型の大きな建物が現れた。
これが今回の目的。
ちなみにここへたどり着く、まともな道はすでにない。
建物中央の玄関には「ホテル大藪」の文字。
そう、ここはかつて温泉ホテルとして賑わった建物の廃墟なのだ。
玄関はもう扉さえなくなっているので、遠慮なく中を失礼する。
まだ、当時の面影を残す「日観連」(日本観光旅館連盟)の看板が下げられているね。
まずは階上部から。
廊下も客室も、特に書くことのない「普通の廃旅館」の風景。
何が問題だったんだ?
フロントに戻ると、デスクの横に大きな業務用の金庫。
試しに開けてみたところ、中から札束がゴッソリ……
なんていう訳がないよね。
それより、机の下まで押し寄せた、この膨大な量の泥は何だ?
建物の背部に回るとさらにこの通り。
ホテルが廃業を余儀なくされた理由は、この泥にあったのだ。
なんでも30年以上昔のこと、突然背後の山が崩れ、その泥がホテル内部にまで押し寄せる事故があったそうだ。
元々無理に山を削って建てたことも原因だったんだろう、結局ホテルは修復を断念、そのまま廃業に追い込まれ今に至るという話だ。
そしていま、泥はあるが道路はないという現実が続いている。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
・龍ヶ崎・赤いレンガの西洋館はこちら。
・鹿島の丘の龍宮城はこちら。
・華麗なる一族の廃洋館はこちら。
・清里のホテルキャデラックハウスはこちら。
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