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山かげに眠る「宇都野火薬庫跡」

小滝橋(栃木県)からさらなる山の中。

Kayakuko_01
すると山あいの窪んだところに屋根のないレンガ造りの建物が一つ。
これはいったい何だ?

この場所、正確には日光市足尾町ということになる。
そう、これまたあの足尾銅山の関連施設なのだ。


Kayakuko_02
建物の向こうに見える山から下りてきた。
ちゃんとした道はあるのだが、古河鉱業(現在は古河機械金属)の管理下にあり、本来の入口は封鎖されて通ることができない。
今回は、たまたま山歩きをしていたところ、こんな所に出て来てしまったのだ。
フェンスを越えた訳じゃなし、しかたないよね。
たぶん。


Kayakuko_03
年月を重ねたこの風格。
剥げたレンガに緑の苔というのも意外と風情があるものだ。
レンガ造りの蔵はこの地方の魅力ではあるが、しかしこの建物は少々キナ臭い。


Kayakuko_04
というのも、全部で4棟あるこれらの建物は、すべて火薬庫なのだから。
そのため建物はすべて土地を深く掘り下げ、その凹地に建てられている。
火薬庫がここに作られたのは1909年(明治42年)頃という。
足尾銅山の発展に大きく貢献したが、最後の採掘を終えた1954年(昭和29年)にその役目を終えた。


Kayakuko_05
いずれも屋根がないのはその特殊な目的のため。
ダイナマイトや導火線が貯蔵されていたので、周囲の壁は頑丈に造るが、屋根は爆風を逃がすべく簡単な木造で作られている。


Kayakuko_06
そして四方を築堤で囲まれているので、すべての火薬庫はいずれも通路からトンネルを潜らないと建物にたどり着けないようになっている。
(山を下って来るような輩は想定していない)


Kayakuko_07
築堤を潜るトンネルはわずか5mほどのものだが、目的が目的だから不気味。
入口も出口もこれまた頑丈なコンクリート製の重い扉で仕切られていて、その使命の重さを訴えかけてくる。


Kayakuko_08
屋根の傾斜や基礎のアーチ型通風孔にも気が配られているが、そもそもこんな山の中。
人里から離すのが目的だから、稼働していた時でさえほとんど人の目に触れることはなかったと思うが、それなのにこの凝った造りのみごとな建築美はどうだ。
日本の技術者の心意気が感じられるようだね。

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コメント

置き去りにされた美しさですね。
当時は錠前一つで管理されていたのでしょう。
しびれる画像でした。

投稿: いはち | 2014.05.15 17:19

いはちさん
ありがとうございます。

行ったのはだいぶ前のこと。
季節が晩秋だったので、山あいに枯れ葉を踏む音が響くのがとても気になったことを覚えています。
フェンス等を突破していないとはいえ、私有地であることは理解していましたので。

ごめんなさい>古河鉱業さま

ちなみに不法侵入の公訴時効は3年であります。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.05.15 19:53

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