初瀬街道の旅(3)虫歯地蔵
【虫歯じゃ出来ぬ伊勢参り】
初瀬街道の旅(2)朽ちた鱒池亭から続く。
江戸時代、人々が一生に一度は参拝したいと願ったのがお伊勢参り。
しかし自分の脚で歩くしかない道中、中には行き倒れになる人もいたそうだ。
伊勢北街道とも呼ばれたここ初瀬街道(国道165号線)、その傍らにもそんな悲運の人を祀るお地蔵さんがあった。
案内板もなく、よほど探索センサーを高感度にしてなければ、おそらく見つけられない恵まれない場所。
道路脇の、雑草が生え繁った土手の上部にそれはあった。
元々、この地で行き倒れとなった四国の尼僧さんを祀ったものという。
その後なぜかここにお詣りすると虫歯の痛みに効くと評判になり、地元では「虫歯地蔵」と呼ばれるようになったとか。
読み取りにくいが、素朴な石碑には文化6年とあるから1809年徳川第11代将軍家斉(いえなり)の時代ということになる。
ちなみに伊勢本街道(国道368号線)のほうにはこれとは別に「歯痛地蔵」というのがあるという。
歯医者さんなどなかった時代、旅の途中で歯痛になったらそれは負けを意味したんだろうね。
だって、敗者でしょ。
初瀬街道の旅(4)初瀬街道の石仏たちに続く。
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