初瀬街道の旅(6)笠着地蔵
【笠着地蔵と逆さ地蔵】
初瀬街道の旅(5)味噌の丁子屋から続く。
街道が雲出川に沿った辺りには真盛上人ゆかりの史跡が多い。
この急な崖の巨岩に刻まれた磨崖仏もそんな一つだ。
説明版によれば……
真盛上人が幼児の頃、出家されるにあたり両親との別れを悲しんでむずかったので、父からの命で笠に入れて雲出川に捨てられた。
ところが不思議にも笠は流れを遡ってこの渕に流れ着き、上人は助け上げられたという。
その奇跡にちなんで大岩に地蔵さまを彫り、「笠着地蔵」と名付けられたものとか。
岩肌のお地蔵さまがわかるだろうか。
ところがここにはさらにまた興味深いものがある。
それは街道を挟んで笠着地蔵とは反対側の川の淵。
ここに大きな岩が倒れ込むようにして転がっている。
この岩は安政の大地震の際、地蔵が刻まれた岩が割れ、雲出川へ転げ落ちたものなんだそうだ。
実際、岩の左下のほうにその名残りが残っていた。
一つは空洞になってしまっているが、もう一つには逆さになったままの地蔵像が見える。
そのためこの岩は「逆さ地蔵」と呼ばれているのだ。
しかし川が増水すると逆さお地蔵さんは水没してしまうので、これを可哀想と思ったか、後年別な上の部分にあらためて地蔵像が彫った人がいる。
こちらには「無縁法要」と記されていた。
大切にされているんだね。
初瀬街道の旅(7)中勢鉄道跡に続く。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 稲又川橋が消えた(2021.12.12)
- 「波の伊八」の飯縄寺(2021.06.08)
- 巨大鳥、千葉に飛来(2021.06.04)
- 南極で地震(2021.02.05)
- 移住したい国(2021.01.25)
「歴史」カテゴリの記事
- 怪我の功名だったかも(2019.12.26)
- ツタンカーメン王の頭像、6億円也(2019.07.05)
- 『インカ神殿』再び(2017.12.28)
- 清水沢の百庚申(2017.12.22)
- 海雲寺の招き猫(2017.12.14)
コメント