初瀬街道の旅(9)延命寺の石棺
【延命寺の石棺、平楽寺の石棺】
初瀬街道の旅(8)沈下橋から続く。
一志町(いちしまち)は雲出川沿いにある古くからの街。
ちなみに霊長類最強という吉田沙保里選手の出身地だ。
ここに約200年も前に発見された古い石棺があるというので寄ってみた。
地図でいうとこの辺りだが、道は狭いしクルマを停める場所もない。
レンズのせいで広く見えるが、実際はとても狭い路地を入った奥になる。
あった、「延命寺」
天台真盛宗の寺院ということだ。
中をお邪魔して石棺を探す。
一番奥の目立たない一角にそれはあった。
6世紀頃と推定されているが、6世紀といえば仏教自体が大陸から伝わった頃だから日本独自のものか。
残念ながら蓋に割れ目が入ってはいるが、全体の形は良好。
頭部に縄掛け突起が一つ確認できる。
刳抜式家形石棺(くりぬきしきいえがたせっかん)というらしい。
「刳抜式」というのは一つの石を刳り抜いて棺にしたもの。
「家形」は蓋の形が家の屋根みたいというものだね。
1955年(昭和30年)、三重県の文化財に指定された。
一志にはもう一つ、平楽寺というところにも石棺があるという。
こちらは街中で、幼稚園を兼ねた賑やかな場所。
こちらの石棺には何の案内板もなく、見つけるのに苦労した。
結局、立派な門柱に隠れるようにそれはあった。
石棺は全体がほとんど雑草に隠れていて、大切に保存されているようには感じられない。
こちらも形式は家形石棺とのことだが、蓋も平らに近く、家型というよりは舟形石棺のようだった。
いずれにせよ、エジプトのクフ王の石棺よりはずっと立派だが。
初瀬街道の旅(10)安楽寺の石垣に続く。
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