森に埋もれた桜花基地(上総中川)
ここはムーミン列車が走るいすみ鉄道の上総中川というところ。
そのローカル駅のすぐ近く、中川小学校(右手)の裏にこんな小山がある。
あぜ道を抜け、その山に分け入っていく。
すでに道はなく、倒木をかいくぐりながら奥へと進んでいく。
すると山肌に大きな穴が穿たれているのが見つかった。
これが今回の目的物件、「旧日本軍・桜花基地」の跡だ。
奥行きは暗くて計り知れず。
高さというか穴の直径は5mほどもあるだろうか。
見るからに堅牢に掘られている長大な穴。
床は平坦に整えられている。
(昔の資料写真)
この中にこんな太平洋戦争当時の高速滑空機『桜花』が格納されていたんだという。
尾部に推進ロケットを装備した儚げな戦闘機だ。
当然入口には扉があった筈で、この溝はその名残かも知れない。
でも、気のせいか「鳥居」の形に見えるような……
三芳村にあったような発射カタパルトはここにはないが、その代わり面白いものがある。
それはトンネルの手前、羊歯(シダ)に隠されながらも見えるこの丸いもの。
これ、格納庫から出した「桜花」を方向転換するためのターンテーブルの跡。
土台となった丸い石組みだけが残っているが、この上に鉄のレールが載っていたんだろう。
そしてこの基地の発射カタパルトはここからかなり離れた、現在小学校の校庭のところ(最初の写真)にあったんだという。
・三芳村の「桜花」基地はこちら。
・下田に残る「震洋」基地はこちら。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
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コメント
上総中川にも桜花の発射基地があったのですね。
三芳にある発射基地からは東京湾へ向けて
放たれるのはわかりますが、こちらはどこに向けて
発射されるのでしょうね。
綺麗に残されているようです。
今度いすみ鉄道に乗りに逝く時に探してみたいです。
投稿: いはち | 2014.12.27 16:44
いはちさん
こんばんは。
はい、三芳村のものと比べると、ずいぶん不便な立地に思えます。
トンネルから(カタパルトの)校庭までは結構距離がありますし。
ま、隠す意味ではいいんでしょうけれど。
行かれるのであれば、ここもヤブが深いので冬場がお薦めであります。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.12.27 17:39