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砲台山の60センチ榴弾砲

砲台山は東京湾を望む千葉県富津市にある。
あの人骨山からもほど近い鋸南町。

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この山のヤブの中に、その名の通りいまも砲台があった。


Houdai_02
砲身は東京湾を見下ろす方向に。


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基部には60cm榴弾砲とあるが、こんな口径で榴弾砲は事実ではない。
そもそも昭和42年とあるし……
つまり、これは後年のダミー。

1923年(大正12)年の関東大震災により、東京湾の第三海堡が崩壊して水没。
これに代わるものとしてこの標高83mの山に海堡の火砲が移設されたのが最初。
1943年(昭和18年)の時点で10cm加農(カノン)砲4門が、さらにその2年後には榴弾砲4門が追加されたのだという。

その後ここにはその名も『砲台山ハイランド』というレジャー施設が1960年代に造られたものの、わずか10年ほどで閉鎖に追い込まれたとか。
それからは荒れたまま。


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いまも頂上には出入り口が閉鎖された旧日本軍の砲側庫。


Houdai_05
またかつては賑わったろう、バーベキュー施設。


Houdai_06
そしてリフトのモーター部や回転塔などが腐食しながら残っている。

ところで砲台山とはどこかで聞いた名前。
そう、東京湾を挟んだ三浦半島のここにもあったっけ。
どちらも米艦隊の侵攻を阻むべく旧日本軍が設けた砲台がある山のことなんだね。
いずれも実戦で使われることもなく戦争はその幕を閉じることとなった。

・州ノ崎の試射場跡はこちら
・丹沢に墜落した戦闘機のエンジンはこちら

・三芳村の桜花カタパルト跡はこちら
・披露山の砲台跡はこちら
・剣崎の砲台跡はこちら

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

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