寝姿山鉱山(下田)【中編】
寝姿山鉱山(下田)(前編)から続く。
急勾配のインクライン脇には石垣で築いた排水用と思われる溝が整備されている。
画面からは伝わりにくいが、インクラインの傾斜角は30度ほどもある。
加えてこの倒木が行く手を遮る上に、中にはトゲのある薔薇系の雑木もあって捗らない。
ナタが必要だ。
低山とはいえ寝姿山の頂上は標高200m。
登り始めが80mほどだから、このペースでは先が思いやられる。
地図で確認すると迂回した林道が頂上近くまで通じていることがわかったので、上から探索することに作戦変更。
GPSであたりを付けた付近に行ってみると、何やら建物が。
『下田有線テレビ放送・第6受信端局』とある。
下田の町を見下ろす位置になるので、どうやらテレビ放送の中継施設らしい。
だからって、まさかここにいてテレビには映らないだろう。
中継施設の脇からかすかな踏み跡がみられたのでさらに下っていくと、人工的な石組みがまた現れた。
ほら、怪しい。
しかしその後はいくら周辺を探索しても自然石の石ばかり。
(マウスを置くと画像が切り替わります)
とてもインクラインの関連装置とみられるようなものは見つからず。
この段階で標高約150m。
これより下は急な崖になってしまい、ロープが必要な状況に追い込まれて再び断念。
気を取り直し、あらためてインクライン下部から上り直すことにした。
上部のヤブ具合はまるでここのよう。
そしてついに現れた、コンクリート製の人工物。
この存在感が伝わるだろうか。
左右対称に二つ並んでいて、これこそインクラインのプラットホームに違いない。
しかしプラットホームは予想した山頂(200m)よりずっと低い、140mの所にあった。
寝姿山鉱山(下田)(後編)に続く。
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