伊東市にも鉱山跡があることを地元『伊豆新聞』の記事で知った。
場所は矢筈山(やはずやま)という所
矢筈山は伊東市の西部、伊豆市との市境近くにある高さ810mの山。
その形から「ゲンコツ山」とも言われているそうだが、矢筈というのにも理由がある。
「矢筈」とは、弓矢で射る際、矢を弦に引っ掛けるお尻の凹みのこと。
この山の頂上部分が英字のMのように小さな双頭峰になっていて、その矢筈のように見えるからなんだね。
まずは東方の池の盆地から伸びる林道経由で探索。
林道の終点から20分ほど山に入ったところに鉱山跡はあるという。
最初こそ廃道になった登山道にもリボンの目印があったものの、やがてそれも途絶える。
時にはこのようにケルン(石積み)があるので、これはもしかしてこれが鉱山跡へのヒントなのか。
しかし、周辺を探ってもそれらしき痕跡は見つからず。
やがて視界の開けた所に。
石垣の構築を見つけた時は「すわ 発見!」と思ったが、残念ながら伊東市の上水道採り入れ口だった。
伊東の水道はこんな遠い山の中から採水しているんだな。
結局、雪が降り止まないためここで断念。
真っ白になったらルートを見失って、低山とはいえ遭難しかねないからね。
そこで今回はこの伊豆スカイラインの鹿路庭(ろくろば)という峠から、逆に降下する形での探索に切り換えた。
鹿路庭というのはその字の通り、野生の鹿が庭のように闊歩していた所、からの命名だそうだ。
ちなみにここにこんな車道が出来たのは、鉱山がその役目を終えてからのことだ。
最初の目論見はその鹿路庭峠から沢づたいに下りるもの。
下った先に鉱山跡はある筈だが、しかし思った以上に沢の状態は悪くて閉口。
念のため携行したロープもすぐに使い果たす。
これ以上無理して下っても、帰りに登り返す自信がなかったのでこのルートも断念。
3回目のトライは、かつての登山道を逆に下って探索しようとするもの。
すでに廃道だが、途中まで道は生きている筈なのでそれまでに見つかれば御の字だ。
登山道だった尾根ルートだけに道自体はイージーだが左右の傾斜はきつく、踏み外せばそれなりに「危険が危ない」。
ただかつてこのルートから矢筈山に登った人のリポートを読んだものの、その中には鉱山の文字はなし。
登山道沿いに鉱山跡があれば当然記述がある筈なので、これは普通に歩いていたのでは目に入らなかったということなんだろう。
そう考えながら、キョロキョロ辺りに視線をやりながら下っていたら、はるか下方に何か見えた。
ほら、明らかに人工的な機械のようなものが……。
あれはもしや。
矢筈山鉱山跡(伊東)【後編】に続く。
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